イラン国会議長がロシアの姿勢を批判、「我が国の領土保全については妥協不可能」
イラン国会のガーリーバーフ議長は、GCCペルシャ湾岸協力会議が先日発表した反イラン的声明にロシアも同調したことを批判し、「我が国の領土保全をめぐる問題は、いかなる方面とも妥協できないものだ」と強調しました。
イルナー通信によりますと、ガーリーバーフ議長は16日日曜、GCC加盟国とロシア外相による第6回戦略協議の最終声明にペルシャ湾にあるイラン領3島の問題が盛り込まれたことを批判し、「当国会は、イラン領3島に関するペルシャ湾岸諸国とロシアの声明にある内容を強く否定する」と述べました。
また、イランの領土保全が和解できるようなものでないとしながら、「ロシアは、自身が西側とNATO北大西洋条約機構の地政学的拡張主義の犠牲者として現在戦っている最中であり、ペルシャ湾の不安定化を目論む西側の地政学的計画に加担すべきではない」としました。
続けて、「ロシアを含むイランの近隣諸国に対しては、地域の安定維持と経済発展が、我が国の領土保全への尊重を含めた善隣関係の原則遵守に基づいてのみ実現可能であると告げておく」と強調しました。
さらに、「我が国は、ペルシャ湾の安定を保証する唯一の存在として、このデリケートな地域で西側が企む危険な計画を無力化している。我が国の外交政策の基盤は、国益に基づき、名誉、思慮深さ、英知という3原則を守りながら、すべての正当な政府と交流していくことにある」と述べました。
その上で、「イランとロシアは今日、地域の2つの大国として、共通の利益に基づき様々な分野で協力計画を進めている。しかし、ロシアはこの協力が、大小トンブおよびブームーサーの3島に対する我が国の主権をはじめとした、越えてはならないレッドラインへの尊重に沿って成り立っていることを知るべきだ」と指摘しました。
そして、「信頼に足る歴史的文書は、これらの島々がイランに属していることを証明している。政治的な声明でこの歴史の事実を歪曲することはできない」と説明しながら、「これらの島々に及ぶイランの権力が、アメリカの覇権主義に対しペルシャ湾の安定維持を保証している」としました。