BRICS-地域組織への加盟を目指すイランの次の歩み
(last modified Tue, 25 Jul 2023 11:46:35 GMT )
7月 25, 2023 20:46 Asia/Tokyo
  • イラン国旗
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南アフリカ・ヨハネスブルグで24日月曜から、BRICS・新興経済国の友好国による会合が始まり、すでにBRICS加盟を申請しているイランもこの会合の重要なゲストの一つとされています。

イラン国家安全保障最高評議会のアフマディヤーン書記は、BRICS友好国会合に参加し演説したことに加え、この会議の傍らで参加国の国家安全保障関係者らとも会談しました。

BRICSとは、ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカの英語名の頭文字を組み合わせて形成される新興経済大国を中心とするグループの名称です。

BRICS形成の思想的基盤及び動きは、将来の多極化世界において役割を果たし、国際体制を支配する現在の秩序に挑戦し、疑問を提示することです。

現在、22カ国がBRICS加盟を正式に申請しており、さらに他22か国もBRICSへの加盟に関心を示しています。

BRICSは世界の総人口の半分、そして世界の経済規模の25〜28%を占め、豊富な人的・天然資源を有するとともに、世界経済に影響を与える高い潜在能力を持っています。

イランはBRICS加盟を申請した最初の国の一つですが、BRICS加盟国は新規加盟国を受け入れるための基準をまだ完全には定めていません。

BRICSの新規加盟国を受け入れるための基準には、GDP国内総生産、人口、面積、天然資源埋蔵量、地域・世界における政治・安全保障上の役割、加盟国との関係などの要素が含まれます。これまでのところ、すべてのBRICS加盟国はこの組織へのイランの加盟を支持・歓迎しています。

特に中国とロシアは新たな国の加盟の必要性を強調するとともに、イランをこの経済グループへの参画の潜在能力のある国の一つとみなしています。

最近、SCO・上海協力機構に加盟したイランにとって、BRICSへの加盟は地域組織との政治・通商的関係を強化する新たな一歩となります。

こうした中、主要なエネルギー供給国の一つであるイランの加盟は、BRICSにとって重要な役割を果たす可能性があります。

また、イランが持つ独特の地理的位置とそのトランジット輸送および貿易面での能力は、BRICS加盟国にとって興味深い要素と考えられています。

特に西側の制裁を受けているイランとロシアにとってBRICS加盟のもう一つの重要な利点は、国際貿易の標準通貨である米ドルからの乖離・脱却、そして「新開発銀行」と呼ばれるBRICS銀行の設立です。

多国籍開発銀行と称されるこの銀行は、国際決済システム・SWIFTの代替となる決済システムを備えています。

総合的に見て、イランのBRICS加盟は、世界における同国の役割強化に向けた前向きで効果的な一歩となる可能性があります。

BRICSへの加盟は、地域の緊張緩和のほか、イランの国際交渉力の向上に寄与しうるものです。

イランはまた、このグループが持つ可能性と機会を自らの経済、政治、文化の発展に利用することもできるのです。

 


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