韓国内のイラン資産が凍結解除へ
イラン外務省が声明を発表し、韓国内で凍結されていた同国資産の返却手続きおよび、アメリカで違法に拘束されていた複数のイラン人の解放手続きが開始されたとしました。
イラン外務省は声明で、「米国によって数年にわたり韓国で違法に凍結されていた数十億ドルのイラン資産について、解除の手続きが始められた。我が国は、この件で米国の約束順守に関し必要な保証を得ている」としました。
声明はさらに、「アメリカはこの数年間、自国の圧政的な制裁を回避したという事実無根の容疑のもとに、多くの無実のイラン国民を同国において違法に逮捕・投獄しており、その解放が真剣に追究されていた。これらの拘束者は、間もなく解放される予定である」と続けました。
声明の最後では、アメリカとの拘束者の交換にも触れられ、「対象となっている米国人拘束者は、依然としてイラン国内にいる」と説明されました。
ただ、この拘束者の交換についてアメリカでは、多くの政治家や共和党要人がバイデン大統領を批判しているということです。
アメリカ政府は10日木曜、イランで拘束中の米国民5人が刑務所から移送され、軟禁下に置かれたことを確認したと発表しましたが、一方で、「これらの米国民の釈放で合意に達したとはいえ、イランに対する圧力や制裁が軽減されることはない」としました。
同国のブリンケン国務長官は、「イランの資産は、人道目的のみに使用されるよう、特定の口座に移されることになる」と語り、米国家安全保障会議のカービー戦略広報調整官も11日金曜、凍結解除された際の資産の用途は食料や医療目的などに「制限されることになる」と強調して、軍事目的に利用されないよう監視するとの見方を示しました。
しかしイラン政府は、このようなアメリカ当局者の主張とは逆に、「凍結解除された資産の使途は自由であり、その裁量は完全に我が国にある」と強調しています。