視点;エマーディー解説員
イランで近付く選挙に敵が取る戦略
イランの第12期国会選挙および第6期専門家会議選挙の投票日まで2週間を切る中、敵はまたもや、イランの利益を阻害する自身の目的推進のためにこの機会を利用しようと企んでいます。
イランでは、イスラム革命後の45年間に40の選挙が行われており、来月1日に予定されている国会選挙と専門家会議選選挙は、これに続く41番目と42番目の選挙となります。
イランの敵は、これらの選挙に対してこの10年間、ボイコットを煽るという戦略を何よりも優先して取ってきました。それは今回の選挙に対しても同様であり、この戦略を成功させようと現在、様々な方法を用いています。
イラン・イスラム革命最高指導者ハーメネイー師は、このような方法として第一に、「選挙を勢いがないように見せること」を挙げました。
これは、「イランにおいて選挙は、基本的に何の価値もなく、単なる体制にとっての道具であり、国民に利益をもたらしその要求や期待に応えるものではない」と思わせようとしているとも言い換えられますが、このような戦術を敵が取ることではっきりするのは、イランでの選挙に大勢の人々が参加することが、イスラム体制およびイラン国民の敵の怒りを常に掻き立ててきたということです。
第二の方法として挙げられるは、イラン国会が成果を出せていないという虚偽の宣伝を行うことです。
イラン・イスラム体制の創始者である故ホメイニー師は、国会が諸事の長としてあるべきと考えており、ハーメネイー師も、国会はイラン国内の発展や進歩につながるレールの敷設役だと、繰り返し強調してきました。このような見解や説明は、イスラム体制において国会が重要性な位置を占めていることを示すものです。
しかし敵は、イランの権力構造において国会が影響力を持たず、何ら成果を出せないと宣伝しています。その主な目的は、国会の機能についてイラン国民を失望させ、彼らを選挙に参加しないよう扇動し、最終的に国民からほとんど支持を受けない国会を開かせることにあります。
これに関してはハーメネイー師も、「国民の国会選挙参加率が低ければ、脆弱な国会が生まれることになる」と述べています。
第三に挙げられるのは、国会選挙における候補者間の競争に疑問を提示する方法です。
しかし、今回のイラン国会選挙には、約1万5000人が議席を争うべく立候補を届け出ました。護憲評議会のハーディー・タハーンナズィーフ報道官は、届け出た人数が増加し約1万5000人であったことを明らかにした上で、「これらの立候補者のうち、73%余りが有資格者と判断された。これは、我が国の選挙で投票できる候補者数としては前例のない人数である」と説明しています。
敵はそれにもかかわらず、選挙の重要性を低く見せて人々をボイコットに駆り立てようと、自身が支配している各メディアを通じて、「イランの選挙には実質、競争が存在しない」と主張しているのです。