視点
イラン国会議員選挙にまつわる10のポイント
イランの国会に相当するイスラム評議会の第12期選挙および、最指導者選出・監視を担う専門家会議の第6期選挙の投票が、来たる3月1日金曜にイラン全国で一斉に実施されます。
1.イランは1979年のイスラム革命以来、39回の選挙を実施しており、今回のふたつの選挙で41回目にあたることになります。このように、イランの政治体制は選挙の実施を歓迎しており、また、選挙を体制に力を与える要素の一つと見なしています。同国では、選挙は真の意味で体制の支柱であり、国の意思決定や運命を決定する基盤となっているのです。
2.イランでは国会議員選挙のみならず、大統領選挙、専門家会議選挙、市町村議会選挙も実施されています。したがってイラン国民は、国会議員、大統領、専門家会議のメンバー、さらには市町村評議会のメンバーをも選出していることになります。
3.今回の国会議員選挙にはおよそ2万人が立候補を届け出て、そのうち1万5000人以上が資格審査を経て正式に出馬しました。つまり75%以上に立候補資格があると認められた計算になります。
4.イラン国会は全290議席で、今回は1議席あたり52人の候補者が争います。
5.さらにその52人のうち6人は女性が占めています。
6.イランの選挙においては、個人もしくは組織・団体の間に真の競争が存在し、結果が事前に分かる出来レースではなく、投票内油次第で結果が決まるほどのレベルにあります。たとえば、2017年の大統領選挙では、当選者は全投票の50%をわずか0.5%超えるという僅差で勝利を確定させました。一方、一部の地域諸国の選挙では、大統領選挙で当選する候補者や国会選挙で勝利する政党が全体の約9割の得票を獲得するなど、選挙において競争がほぼ存在しない状況が示されています。したがって、イランにおいては、選挙への人々の参加に基づいてより良い候補者が選ばれていると言えるのです。
7.イランの有権者数は現時点で6117万2298人で、立候補者のおよそ7割が30歳~50歳の年齢層です。
8.有権者のうち男性は3094万5013人、女性は3022万7165人です。
9.今回の選挙で初めて法定投票年齢の18歳に達した有権者はおよそ350万人です。
10.今回の選挙ではイラン全土でおよそ5万9000カ所の投票所が設置されます。