イラン大統領選候補者討論:経済政策について何を語った?
今月28日に投票が行われるイラン大統領選挙の立候補者によるテレビ討論の1回目が17日に行われました。
【ParsTodayイラン】この日の討論会では、マスウード・ペゼシュキヤーン、モスタファー・プールモハンマディー、サイード・ジャリーリー、アリーレザー・ザーカーニー、セイエド・アミールホセイン・ガーズィーザーデ・ハーシェミー、モハンマドバーゲル・ガーリーバーフの全6候補が出席し、くじ引きで順番が決められた後、各人が自らの経済政策について語り、候補者どうしで議論を交わしたり、司会者や専門家からの質問に回答したりしました。
この記事では、各候補の発言の要旨を紹介します。
ガーズィーザーデ・ハーシェミー氏「世界銀行の誤った指示に注意すべき」
最初の順番に当たったガーズィーザーデ・ハーシェミー氏は、専門家からの質問に対し「我々は世界各国の経験に学ぶ意義はあると考えている。しかし、正しい経験と間違った経験があることを頭に入れておかねばならない」と語りました。
ガーズィーザーデ・ハーシェミー氏は、世界の多くの国が世界銀行の政策に従ったばかりに経済危機に見舞われたとしました。
ガーリーバーフ氏「BRICSや上海協力機構を重視」
2番目のガーリーバーフ氏は、「問題の解決を保証できる人物が大統領になるべきだ」とし、
「制裁の解除、制裁をめぐる行動対行動の原則、BRICSや上海協力機構の重視を軸に据えるべきだ」
と述べました。
ペゼシュキヤーン氏「生産者や商工組合が決定権を握るべき」
3番目のペゼシュキヤーン氏は、「計画が実行される必要条件は、全当事者が立場の違いを超えて参画し、一部のエリート層ではなく優秀な専門家を登用することだ」と訴えました。また、経済におけるあらゆるアプローチはインフレ緩和に向けられるべきだとし、
「生産者や商工組合など、生産の場に携わる人々が決定権を握るべきだ」
と語りました。
ジャリーリー氏「投資の誘致だけが経済成長の必要条件ではない」
4番目のジャリーリー氏は、「経済成長の必要条件は投資の誘致だけではなく、社会全体が経済に参画することがより重要であり、政府はそのために役割を果たすべきだ」とし、
「政府は、才能や意欲がある国民が経済に参加できるよう、必要な場を整えるべきだ」
と述べました。
ザーカーニー氏「富の公正な分配が必要」
5番目のザーカーニー氏は、「生産分野では高付加価値商品の提供が必要だ」とし、
「国民の経済参加にあたっては、手段が整えられなければならない。テクノロジーを利用することで、そのプロセスを短縮化し、必要な設備も少なくすることができる。富が生まれれば、その公正な分配も実現する」
と述べました。
プールモハンマディー氏「経済問題に経済的解決策があるとは限らない」
最後のプールモハンマディー氏は、「経済問題に経済的解決策があるとは限らない」とし、
「国民の能力と管理により問題は解決できる。ただし、専門家の意見を尊重する必要がある。我々政策決定者は専門家の助言を得て優先順位を見極めなければならない」
と述べました。プールモハンマディー氏はその上で、「今日の世界は、知識、テクノロジー、専門性、経験の時代である。どの社会でも財政の安定性が経済的成功の秘訣である」としました。