イランの円滑な政権移行:そのプロセスは?
イラン行政府の長たる大統領が新たに就任する際のプロセスは、同国における権力の円滑な移行を明白に示すものとなっています。
【ParsTodayイラン】イラン政府は、大統領選挙の結果が判明したその日から、権力移行プロセスの最終段階に向けて、選出された次期大統領に協力する義務を負います。
イランでは今月30日、先の大統領選で選出されたマスウード・ペゼシュキヤーン氏の第14代大統領への就任宣誓式が行われる予定となっていますが、それに先立つ28日には、イスラム革命最高指導者ハーメネイー師によるで大統領辞令書への確認署名と同書の授与が行われます。
新政府への権力移行プロセスに関するイランの関係諸法によれば、護憲委員会は選挙の正当性を確認した後に大統領の任命辞令書を発行します。同書は委員らが署名した上で、イスラム革命最高指導者の事務所へと送られます。
憲法第110条第9項によれば、大統領辞令書への確認署名は、国民投票による大統領選挙と就任宣誓式の間に行われるプロセスであり、最高指導者が行う義務と権限のひとつとされています。
大統領辞令書への確認署名は、最高指導者が大統領の任期を通じて監督的な役割を担うことを意味し、大統領があらかじめ決められた原則から逸脱すれば、その合法性や信任を取り消す場合もあります。
確認署名の次に行われるプロセスは、就任宣誓式です。新大統領は国会において、憲法第121条に基づき、護憲委員会メンバー、司法府長官、さらに軍や国の当局者の出席のもと就任宣誓を行います。
憲法第121条によれば、新大統領は、職責を果たすために自己の能力のすべてを発揮することを誓った上で、宣誓書に署名することになっています。
今回の大統領就任宣誓式には、イラン国会の議長・議員に加えて、国内外の当局関係者や著名人も招待されています。
国会の内規によれば、新大統領は就任宣誓式後2週間以内に閣僚名簿を国会に提出し、その後招集された国会は、1週間以内にこの閣僚候補者を専門委員会で審査し、最後に投票によって信任の可否を決定します。