7月 29, 2024 15:26 Asia/Tokyo
  • イラン南東部ケルマーン州マーハーンのシャーザーデ庭園
    イラン南東部ケルマーン州マーハーンのシャーザーデ庭園

イラン南東部ケルマーン州マーハーンにあるシャーザーデ庭園は、同国で最も歴史のある美しい庭園のひとつであり、イランの芸術と独創性の融合の具現と言えます。水路、木々、建築物が組み合わさったこの庭園は、砂漠の中心でまさに楽園のような存在となっています。

【ParsTodayイラン】イランで最大面積の州であるケルマーン州には、800以上の有形・無形国家文化財や、ユネスコ世界遺産に登録された7つの歴史的建造物といった、歴史の遺産が数多くあります。同州は、歴史学者のモハンマドエブラーヒーム・バースターニーパーリーズィー氏、作家のフーシャング・モラディーケルマーニー氏、音楽家のイーラジ・バスターミー氏、イスラム革命防衛隊のガーセム・ソレイマーニー司令官などの多くの偉人を輩出しているほか、バム城塞、シャーザーデ庭園、ラーイェン城塞、ルート砂漠、ファトフアーバード庭園、ガナーテ・マレク村、ソレイマーニー司令官の生家、ゴルザーレ・ショハダーの墓地公園などの、自然や歴史の見所にあふれています。

 

今回は、同州マーハーンにあるシャーザーデ庭園をご紹介していきます。

 

マーハーンのシャーザーデ庭園

シャーザーデ、もしくはシャーザデの名で呼ばれるこの庭園は、イランにある歴史的庭園のひとつです。庭園が建つのは、マーハーン市街地からケルマーン市方向に約2キロのティグラーン山脈の麓です。この庭園は、イランの芸術と独創性が融合した庭園のひとつで、水路、木々、建築物が素晴らしく調和し、砂漠の中心でまさに楽園のような存在となっています。

 

上空から見たシャーザーデ庭園


 

シャーザーデ庭園内の様子


 

シャーザーデ庭園の歴史

シャーザーデ庭園を建設を命令したのは、当時ケルマーンを統治していたモハンマドハサン・ハーン・サルダール・イルヴァ―ニーであり、その後、シャーザーデ・アブドゥルハミード・ミールザー・ナーセロルドウレが11年間かけて完成させました。この庭園の歴史は1897年に遡りますが、1958年と、1981年に地震の被害を受けた後の二度の修復を経て、国家遺産に登録されました。シャーザーデ庭園はまた、ユネスコの世界遺産に「バムとその文化的景観」として登録された9つの庭園のうちのひとつであり、その情報はユネスコの観光地図に35カ国語に翻訳されて掲載されています。

 

ユネスコ世界遺産のシャーザーデ庭園


 

シャーザーデ庭園の構成

シャーザーデ庭園は、母屋の上階に足を踏み入れると、4つに分かれた庭園と背景の山々が目の前に広がるように配置されています。周囲の緑に彩られた溢れる水、池、滝は、他にはない景色を生み出しています。

 

砂漠に囲まれたシャーザーデ庭園


 

シャーザーデ庭園の各部

シャーザーデ庭園は、他には見られない傾斜のある土地にある美しい庭園です。この庭園には、正門、浴室、邸宅、水路、池などがあり、全体が高い柵で囲まれています。

また、12段の段差、滝、噴水、なみなみと水を湛えた2つの池、天にも届きそうな緑あふれる高い木々があり、訪れるすべての人々の目を楽しませています。邸宅の裏には庭園の所有者の利用する果樹園があり、庭園の植物の命の源となる水は、小川の水を引き込んだもので、急な勾配のついた土地を活かして花壇に水を運ぶだけでなく、庭園の要となる広い水路や滝として、このすばらしい場所を形作る基本の要素となっています。

 

シャーザーデ庭園の要となる水路


 

シャーザーデ庭園内に建つ邸宅


 

シャーザーデ庭園の美しい夜景


 

シャーザーデ庭園の地理的位置

シャーザーデ庭園は、シルクロードのケルマーン‐バム横断ルート上に位置し、そのために貴族の庭園を作るのにふさわしい場所となりました。この庭園は現在でも、地域の主要道路沿いに位置しています。

 

シャーザーデ庭園の往時の姿


 


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