イラン最高指導者、敵による心理戦への賢明な対処を強調
イラン・イスラム革命最高指導者ハーメネイー師は、「敵による心理戦の目的は、我々に恐怖心と譲歩を植え付けることだ」とし、「コーランの説くところによれば、戦略のない譲歩は、それが軍事であれ、政治であれ、情報であれ、経済であれ、神の怒りを買うことになる」と述べました。
【ParsTodayイラン】ハーメネイー師は14日、南西部コフギールーイェ・ブーイェルアフマド州の国民殉教者会議本部のメンバーらと面会し、敵の心理戦に対処する方法として「自らの能力を知り、敵を過大評価しないこと」を挙げました。そして、「殉教者たちは自己献身と義勇によりこの心理戦を戦い、それを無効化した」と述べ、そうした殉教者たちによる功績も各種行事などで強調されるべきだとしました。
ハーメネイー師はこの中で、イラン国民に対する心理戦のひとつは「敵を過大評価させることだ」とし、「(1979年の)イスラム革命以来、様々な方法でイラン国民がアメリカ、イギリス、イスラエルを恐れるべく工作が仕掛けられてきた」と述べました。
そして、「(初代最高指導者の)ホメイニー師の偉業は、イラン国民の心から恐れを取り除き、自信を与えたことだった。これにより国民は自らの能力で大きな仕事を達成できることに気付き、敵は見た目ほど大したことはないと知った」としました。
その上で、「敵による心理戦の目的は、我々に恐怖心と譲歩を植え付けることだ」とし、「コーランの説くところによれば、戦略のない譲歩は、それが軍事であれ、政治であれ、情報であれ、経済であれ、神の怒りを買うことになる」と述べました。
ハーメネイー師はまた、敵の要求に対して弱腰になったり、屈服したりするのは、敵の政治能力の過大評価に起因するとし、「今日、大小様々な国が傲慢な大国の要求に屈している。もしそれらの国々の政府が、自国民やその能力に依拠し、敵の実力を過大評価せずに示すことができれば、その要求を呑む必要はなくなる」と述べました。
ハーメネイー師は、敵の過大評価は文化面にも及ぶとし、敵の文化に魅了され、自国の文化を卑下する姿勢が生じているとし、このような姿勢は「敵の生活様式の受容や外来語の使用をもたらす」と指摘しました。
そして、殉教者たちがこうした心理戦への対抗に大きな役割を果たしたとし、「恐れず、他人の話に惑わされることなく敵の心理戦に立ち向かった若者たちに感謝しなければならない。そして、こうした事実を芸術や記念行事などの形で可視化し、語り継いでいかねばならない」と述べました。
これについてハーメネイー師は、殉教者やイラン・イラク戦争について本や映画といった文化的コンテンツが、受け手の生活様式に影響を与えるような形で生産されるべきだとし、「若者たちが殉教・自己献身したことは、国の発展にとって大きな支えだ。この事実が歪曲あるいは忘却されることなく、保護されるべきだ」と述べ、殉教者会議の活動に謝意を示しました。