イラン外相「我が国ではテロリストに安全はない」 ドイツの声明に反発
イランのアラーグチー外相は、国内テロ組織トンダルのリーダーに対する死刑執行を受け、ドイツ政府が干渉的な反応を示したことについて、「イランでは、たとえドイツの支援を受けていたとしてもテロリストが免責されることはない」と述べました。
【ParsTodayイラン】テロ組織トンダル(雷の意)は長年にわたってイラン国民に対する悪行や犯罪をはたらいてきましたが、イラン最高裁の最終判決により28日、ドイツ国籍を有するこのテロ集団のリーダー、ジャムシード・シャールマフド死刑囚の刑が執行されました。
トンダルは、2008年にイラン南部シーラーズにあるセイエド・アル・ショハダー宗教施設で爆破事件を起こし市民14名を殉教、他300名を負傷に至らしめたほか、近年もシーラーズでのダム爆破計画やテヘラン国際ブックフェアでのシアン化物爆弾テロの計画など、複数のテロを計画していました。これらの陰謀はイラン治安部隊の完全な情報統制により未遂に終わっています。トンダルは他にも、イラン原子力産業の科学者の一人であるマスウード・アリーモハンマディ氏の暗殺にも関与していました。
シャールマフド死刑囚はイランでテロ活動を行っていた時期、ある動画において「我々は殺人行為を恥じてはいない」などと語っていました。
シャールマフド死刑囚の刑執行後、ドイツ外務省はイラン代理大使を召喚しました。一方、アラーグチーイラン外相は、ドイツ政府の行動に反応し「ドイツのパスポートとて何人にも、ましてやテロ犯罪者に免責を与えることはない」とコメントしました。
アラーグチー外相はさらに、「シャールマフド死刑囚は恥じることなく、公然と宗教施設へのテロ攻撃を主導した。これにより、女性や子供を含む罪のない14人が殉教し、200人以上の負傷者を出した。既に十分な証拠が入手されており、捜査のためあらゆる関係者の手に渡っている」としました。
そしてドイツ政府に対し、「隠ぺいと心理ゲームから手を引くべきだ。子供の殺害者やテロリストへの支援をやめ、欺瞞的な人権というスローガンを捨てよ。人権を隠れ蓑にしたあなた方の高慢な物言いは、貴国民でさえ嘲笑している」と語りました。
また、「イラン国民はドイツがイラクの元独裁者サッダーム政権に化学兵器を供与した事実を忘れていない」「ドイツ政府もシオニスト政権イスラエルの恒常的な虐殺の共犯者である。ドイツはイスラエルへの武器供給量では世界第2位とされている」などと批判しました。
アラーグチー外相は他にも、ボレルEU外務安全保障政策上級代表による干渉的発言にも反論し、「欧州は偽善の象徴だ」「人間の生命と尊厳は守られるべきだ、としたEU上級代表の発言を私は信じたい。しかし問題は、あなたの同僚たちが恥も外聞もわきまえず、イスラエルによるガザでの大量虐殺とレバノンでの殺人を支持していることだ」と厳しく非難しました。