イラン南東部のイスラム指導者らが、スンニ派エリートに対する政府の信頼に謝意を表明
イラン南東部スィースターン・バルーチェスターン州の中心都市ザーヘダーンのスンニ派金曜礼拝導師が、「コルデスターン州知事の選出は、スンニ派エリートに対する体制の信頼を示している」と述べました。
【ParsTodayイラン】イランのモハージェラーニー政府報道官は先月30日、閣僚会合の傍らで記者団に対し、スンニ派でバルーチー族のマンスール・ビージャール氏をスィースターン・バルーチェスターン州知事に任命すると発表しました。
ザーヘダーン市のスンニ派導師を務めるモウラヴィー・アブドルハミード・エスマーイールゼヒー師は、ビージャール氏の就任式典で、「挙国一致政府の公約の1つは、様々な民族集団や異なる宗派に属する人物の選出であり、この方針に向けた一歩が踏み出された。その一例が、コルデスターン、スィースターン・バルーチェスターンの2つの州でスンニ派州知事が誕生したことであり、このことは評価に値する」と語りました。
また、スィースターン・バルーチェスターン州ハーシュ郡のスンニ派導師、ホセインゼヒー師も「コルデスターン州および、スィースターン・バルーチェスターン州でスンニ派の人物が州知事に選ばれ、また政府の貧困地域担当副大統領にもスンニ派が選出されたことは、イランの政府とイスラム共和制がスンニ派エリートに信頼を寄せていることを物語っている」と述べました。
ザーヘダーン市のスンニ派学者であるユーソフ・ゴルギーチ師も「スィースターン・バルーチェスターン州知事を選ぶ際に民族性に注意を払うことは、国の団結を保証するとともに、政府およびイラン・イスラム共和制の社会関係資本をも向上させることになる」と意義を説きました。
同じく、スィースターン・バルーチェスターン州ミールジャーヴェ市の導師、リーギヤーンプール師も、「すべての民族的、文化的可能性を考慮することで、民族・宗教的分断という敵の陰謀を阻止し、統一を維持することは可能である。敵は今回の一件で、民族・宗派によるイランの分断に失敗した」と語りました。
今回、西部コルデスターン州の知事にもスンニ派の若手、アーラシュ・ザレタン・ラホニー氏が任命されました。
また、ペゼシュキヤーン大統領もこれに先立ち、スンニ派クルド人のアブドルキャリーム・ホセインザーデ氏を農村開発担当副大統領に任命しています。
イラン・イスラム革命最高指導者ハーメネイー師は以前、イラン全土のスンニ派学者、金曜礼拝の導師、神学校の理事らの集まりで「イスラム共同体」(ウンマ)の貴重なアイデンティティの保持は必須だとした上で、イスラム内の団結の重要性および、悪意のある一味がイスラムの印象操作を画策しようとしていることを強調し、「イスラム共同体の問題を決して忘れてはならない」と述べています。
ハーメネイー師はさらに、「幾多の陰謀にもかかわらず、イランのスンニ派社会は敵の悪意ある動機に真剣に対峙している。このことは、聖なる防衛(=イラン・イラク戦争)やその他の機会に1万5000人ものスンニ派イラン兵が、さらには革命と真理の道において数多のスンニ派指導者らが殉教している事実によって証明されている」と付け加えました。