27%の大幅成長:各国がイランの陸上輸送を歓迎する理由とは?
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27%の大幅成長:各国がイランの陸路輸送を歓迎する理由とは?
イラン道路機構のジャヴァード・ヘダーヤティ国際輸送局長によると、イランにおける貨物のトランジット輸送は昨年3月下旬からの10カ月間で、昨年の同時期と比べて27%増加しました。
【ParsTodayイラン】ヘダーヤティ局長は、昨年3月20日から今月19日までに1470万トンの貨物が陸路で輸送されたことに言及し、前年同期比で27%の増加となったことを明らかにしました。また、2023年度の輸送量はその前年と比較して58%という大幅な増加を示し、過去最大の伸び幅となりました。
ヘダーヤティ局長の話では、過去10カ月間でイランの陸上輸送が大幅な成長した要因として、トランジット輸送手続きの円滑化、輸送と倉庫保管に関連するインフラの拡張、経済外交の成功、通商取引の改善と増加に向けた近隣諸国との建設的な交流が挙げられています。
近年、グローバルサウスと呼ばれる新興国が世界貿易、特に南アジアに参入したことにより、物流ルートの重要性が極めて高まっています。
イラン駐在のインド大使ルドラ・ガウラヴ・シュラスティ氏は最近、イラン北部バンダル・アンザリーの港湾複合施設を訪問し、「インドが貿易を拡大し、ユーラシアおよびコーカサス地域とつながるためには安全なルートが必要である」と述べ、「イランは最も安全で、しかもインドに向かう最良かつ最も経済的なルートである」と強調しました。
これに関して、昨秋に運行開始したイラン・中国間の2階建てコンテナ列車の記念式典で、当時のイラン鉄道公社総裁セイエド・ミアード・サーレヒー氏は「イランは中国製品をEUに輸送するための高速かつ安全な玄関口だ」と語りました。
イランの利点は、2000年以上の歴史を持つ東西回廊、すなわち古くからのシルクロードの活性化により、中国から複数の国境を越えて商品を輸送できる可能性を秘めていることです。
イランには中国とヨーロッパを結ぶ5つの輸送ルートがあります。そのうち通行可能な3つの国境は鉄道であり、中国はこれを通じてヨーロッパへの輸出が可能です。これらの鉄道ルートのひとつは、カザフスタン、ウズベキスタン、トルクメニスタン、イラン北東部サラフス国境を経由してイランに入り、そのまま直行でトルコに面したラーズィー国境まで輸送され、そこからトルコへ入るというものです。他には、カザフスタン、トルクメニスタン、イラン北東部インチェブロン、同北西部ラーズィーを経由するルートもあります。これら2つのルートは、中国がヨーロッパ向け貨物輸出に使用できる完全な鉄道輸送ルートです。さらに、これらの鉄路沿いには陸上輸送のルートも併走しています。
また、中国は南北回廊を利用してインドあるいはロシアにもアクセスできます。したがって、イランは真の意味で国際トランジット輸送の交差点であり、輸出する国々がイランの鉄道、陸路、さらには海上輸送の利点を活用できれば、世界的なライバルとの競争において非常に有利になるとみられます。