イラン外相「イランに脅迫は通用せず」「シオニストをグリーンランドへ移送すべき」
(last modified Wed, 29 Jan 2025 13:10:42 GMT )
1月 29, 2025 22:10 Asia/Tokyo
  • 英スカイニュースのインタビューに応じるイランのアラーグチー外相(右)
    英スカイニュースのインタビューに応じるイランのアラーグチー外相(右)

イランのアラーグチー外相は、イラン国内の核施設に攻撃があった場合は「即座に断固として報復する」とし、「米国とイスラエルは狂っている。イランの核施設を攻撃すれば、それは地域にとって悲惨な結果を招く」と警告しました。

【ParsTodayイラン】アラーグチー外相は28日付の英スカイニュースのインタビューで、地域や国際情勢に関するイランの立場について語りました。以下はその抜粋です。

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インタビュアー:あなたは外相という職をきわめて困難な時期に引き受けた。西アジア地域は混沌としている。ホワイトハウスにはイランを敵と公言するトランプ氏がいる。しかしトランプ氏はイランと取引をする用意があるとも言っている。つまり脅威と機会が併存している。イランがトランプ氏と合意に至る可能性はあるか?

アラーグチー外相:我々の政権は、包括的でバランスのとれた外交を精力的に展開すべく努力している。我々は世界のすべての国と関係を構築する用意がある。残念ながら、私が外相に就任した時(昨年8月)は西アジア地域は全面戦争の瀬戸際にあった。私の第一の務めはそれを阻止することであり、それにつながる緊張を緩和することであった。私はイランと国交を結ぶ西アジア諸国をほぼすべてと、国交のないエジプトやバーレーンも訪問した。私は緊張緩和に向けた地域の声をひとつにまとめ上げるよう努め、それは成功したと思っている。

また、イランの平和目的の核計画に関する新たな合意の可能性も追求している。我々(核合意当事国)は交渉を続け、相互不信を解消し、核合意復帰あるいはそれに近い策を追求していくことで合意した。もっともこれは米大統領選挙の前のことだった。その後、我々はトランプ新政権がどのような姿勢をとるのか注視している。核合意の精神は、制裁解除と引き換えにイランの核計画において信頼を醸成することだった。そして、そのことはイランへの制裁の大半を行使している米国により大きな責任をもたらすものだった。したがって、核合意の精神に立ち戻れるかどうかは、まだ先方の出方を見守っている段階だ。ただし、イランは脅迫的な物言いには返答しない。

イランはこれまでにも脅迫には応じず、相互尊重にもとづく敬意ある言葉には返答してきた。この経験則は今回も踏襲される。ただし、現在はもうひとつ重要な経験則がある。我々を脅し、制裁すれば、どんな結果になるか、ということだ。我々は平和目的の核計画において以前よりも進歩している。防衛技術においても進歩している。なぜか? 彼らが我々を制裁したからだ。我々が自力でカバーするように彼らが強いたのだ。したがって制裁は奏功しなかった。

 

イスラエルについて聞きたい。イスラエル外相は「今ほどイランを攻撃する好機はない。イランは今、最も弱体化している状態にある」と語っている。トランプ氏もイランと合意が成立しなければ、イスラエルを支援すると言っている。こうした動きをどう見るか?

これが本当の脅迫ではないことは彼ら自身が知っているはずだ。なぜなら彼らは我々の反撃能力を熟知しているからだ。イランの核施設を攻撃すれば、即座に断固として報復に直面すると我々は明確に伝えてきた。彼らがそのような無謀な行動に出るとは思わない。地域のあらゆるものを災厄に変えてしまうからだ。彼らの脅迫がはったりである以上、私はそれについて詳しく話したいとは思わない。

 

ガザについて。最近トランプ氏は、ガザ住民をエジプトやヨルダンに移住させる構想を口にしたが、これはイランにとってレッドラインか? 仮にこの構想が現実のものになった場合、イランはどんな反応をとるか?

イスラエルが最終的にハマスとの停戦交渉に応じざるを得なくなったことを忘れてはならない。ハマスを壊滅させるとしてガザに侵攻したが、人質交換のために交渉についた。私の提案は(トランプ氏とは)異なる。パレスチナ人を移住させるのではなく、イスラエル人を移住させるものだ。彼らをグリーンランドへ移住させれば一石二鳥ではないか。グリーンランドの帰属問題も解決するし、イスラエル人の定住先も見つかる。

 

イスラエル人が彼らの言う自らの土地に住み続ける権利はあると思うか?

誰にでも生きる権利はあるが、他人の土地を占領する権利は誰にもない。この土地はパレスチナ人のものであり、自らの土地および自分たちの将来について決定すべきなのはパレスチナ人だ。

 

昨年、ナスロッラー師が殺害されたことでヒズボッラーが弱体化したと言われている。ハマスのハニヤ氏もテヘランで暗殺された。さらにシリアのアサド政権も崩壊した。イランの戦略が機能しなくなったと言えると思うか?

まず理解しなければならないのが、抵抗とは一種の思想・理念であるということだ。組織のメンバーを何人か殺害したところで、その理念が消えることはない。ハマスやヒズボッラーが打撃を被ったことは確かだが、すでに再建の道のりを歩み始めている。彼らの思想・理念が消えることはない。

ひとつ例を挙げたい。フランス革命は西洋思想に大きな影響を与えたが、その後どのように変容したか? ナポレオンによる帝政やその後の王政復古もあった。しかし、フランス革命がもたらした理念は、形を変えながらも今でも西洋世界で生きている。抵抗運動について言えるのは、これと同じことだ。

抵抗勢力は昨年、多くの勝利を手にした。中には敗北もあるが、自らを再建し、同じ道を歩み続けている。人々はハマスやヒズボッラーを支持し続け、再び以前と同じ力を与えるだろう。ハマスとヒズボッラーはそれぞれ独立した組織であり、各自で決断を下している。我々は彼らの理念を常に支持してきたし、これからもそうだ。将来においても、彼らがイランに支援を求めるなら、我々は前向きな回答をする。

 


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