アメリカ人はイランに渡航できるか?
-
アメリカ人はイランに渡航できるか?
多くの人が抱く疑問に「アメリカ人はイランに旅行できるのか?」というものがあります。端的に答えれば「イエス」です。イランとアメリカの間には、ここ数十年政治的緊張が続いているものの、より現実的なイランの姿を知りたいという好奇心から毎年多数のアメリカ人観光客がイランを訪れています。
【ParsToday国際】多くの観光客は、西側諸国のメディアの報道からは知ることのできない「イラン人のもてなし」に驚愕しています。
テキサス州ダラス生まれで、通称ドリュー・ビンスキー (Drew Binsky)と名乗るドルー・ゴールドバーグさんは、「一般に信じられていることとは反対に、イランはとても安全で、今まで見たこともないほど親切な人々がいる。彼らは、私が自らの安全を確信するまで私に付き添ってくれた。本当に皆さんを騙したくない。私が言ったことはすべて100%真実である」と語りました。
フロリダ州オーランド出身で通称「JP」で知られるジョン・ポール・セルバさんも、イラン旅行について「イラン人のもてなしの心は世界でも類を見ない」と述べています。セルバさんは現在までにイランに3回旅行した経験がありますが、その間、ホテルや旅館には一泊もせず、常にイラン人の家に客として滞在してきました。
セルバさんはまた、次のように述べています。
「いつの間にか始まっていた。私がある人の家に滞在していたとき、次はどの都市に旅行するのかと聞かれ、『分からない、たぶんイスファハーンに行くだろうと答えた。すると彼らは『ああ、よかった。イスファハーンには私のいとこがいるから、彼の家に泊まっていけばよい』と言うのだ。こういったことは、他の都市でも同様だった」
米国の制裁:米・イラン両国民の間に立ちはだかる障壁
しかし、こうしたプラスの経験にもかかわらず、なぜアメリカ人のイラン渡航は依然として制限されているのでしょうか? イラン政府報道官を務めるファーテメ・モハージェラーニー氏は最近のインタビューで「米国の投資や進出で問題が生じたことは一度もない。逆に、イランの持つ壮大な潜在能力を自ら活用できなくしているのは彼ら自身だ」と語りました。
また、イラン外務省のバガーイー報道官も最近の記者会見で、「主な問題は米国の複雑な法律と重層的な制裁であり、それによってイラン国民は単純な経済取引さえもやりにくくなっている」と強調しています。
緊張の絶えない歴史:8月19日のクーデターから圧政的な制裁まで
1953年8月19日のクーデターは、アメリカによる対イラン問題内政干渉の発端と見なされるべきものです。CIA米中央情報局と米国務省が公開した文書などによれば、イギリスの安全保障機関の代表はCIAの代表に対し、当時のイランのモサデク政権を打倒し完全に従属的な政府に置き換えるという計画を提案し、1953年春にアメリカ側から肯定的な反応を得ていました。
その後、1979年のイスラム革命の時期には、米国による一方的な対イラン制裁が経済のみならず、両国民同士のコミュニケーションにも影響を及ぼしています。
米・イラン関係の未来:緊張の背後に存在する機会
アメリカの干渉と政策によりイランとアメリカの関係は緊張状態にはありますが、一般の観光客の肯定的な体験や同国ビジネス界の一部が見せている意欲は、経済・文化的協力の可能性が存在することを物語っています。おそらく、外交が制裁に取って代わり、すべてのアメリカ人にとってイランへの旅行が航空券の購入と同じくらい容易になる日が到来するかもしれないのです。