イラン国家安全保障最高会議書記による歴史的なレバノン訪問
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イラン国家安全保障最高会議のラリージャーニー書記(左)とレバノンのアウン大統領(右)
レバノンのアウン大統領は、同国を訪問したイラン国家安全保障最高会議のラリージャーニー書記との会談で、「レバノンはイランとの協力を望んでおり、それは主権と相互尊重に基づく友好関係の枠組みで行いたい」と述べました。
【ParsTodayイラン】ラリジャーニー氏は13日、イラクに続いてレバノンを訪問し、同国の大統領、首相、国会議長らと会談を行いました。また、昨年9月にイスラエル軍の空爆で殉教したヒズボッラーのナスロッラー前事務局長の墓地も訪れました。
レバノン大統領「イスラエルの攻撃はレバノン全体に対する挑戦」
ラリージャーニー氏と会談したレバノンのアウン大統領は、「レバノンはイランとの協力を望んでおり、それは主権と相互尊重に基づく友好関係の枠組みで行いたい」と語りました。
また、「イスラエルやその他の敵によるあらゆる挑戦は、レバノン全体に対する挑戦であり、特定のグループだけの問題ではない」とし、「それに立ち向かうために最も重要な武器はレバノンの団結である」と強調しました。
レバノン国会議長「イランはレバノンの友好国」
また、ベリ国会議長はラリージャーニー氏との共同記者会見で、「イランの力は国民の結束と深い民衆革命に基づいている」と強調し、「我々は決して友人を道具として扱うことはなく、抵抗は深い思慮と広い視野に基づいている」と述べました。
その上で、「イランはレバノンの友好国であり、その地域での積極的な立場を考慮すれば、今後もそうであり続けるだろう」と述べました。さらに、「ヒズボッラーは消えていない。ヒズボッラーは依然としてレバノン最大の政党の一つであり続けるだろう」と付け加えました。
レバノン首相「レバノンはパレスチナ支持の先頭に立っている」
また、サラーム首相はラリージャーニー氏との会談で「レバノンはパレスチナの支持において先頭に立っており、イスラエルとの対決において重い犠牲を払ってきた」と述べました。「レバノン政府は、イスラエルに対しレバノン占領地からの撤退と侵略の停止を求めるために、政治的、外交的、法的手段を引き続き活用していく」と語りました。
ラリージャーニー氏「ヒズボッラーはイスラムの誇りであり栄光である」
ラリージャーニー氏はベイルート市内にあるヒズボッラーのナスロッラー前事務局長の墓地を訪れて演説し、「ナスロッラー師のヒズボッラー強化のための努力は、イスラム社会にとって真摯で永続的な活動であった」と述べました。
ラリージャーニー氏は同席したヒズボッラーの兵士らに向けて、「あなた方には無理解や憎しみが向けられるかもしれないが、それはあなた方がいかに重要で影響力があるかを示している。もしあなた方の活動が影響力を持たなかったなら、これほどまでに敵対的な態度は取られなかっただろう」と語り、「ヒズボッラーはイスラムにとって誇りであり、栄光である」と強調しました。
レバノン市民はラリージャーニー氏を大々的に歓迎
今回のラリージャーニー氏の訪問にあたり、大勢のレバノン市民がベイルート国際空港に集まり、ラリージャーニー氏を歓迎しました。こうした歓迎の盛り上がりは、イランのレバノンにおける政治的な存在感の重要性を示しています。
SNSユーザーの声
またSNS上でも、特にジャーナリストやシーア派のユーザーらが、「イランは支援者、パトロンではない」というハッシュタグを流行させました。こうした動きは、アメリカとイスラエルによるヒズボッラーへの武装解除圧力に対する直接的な反応と言えます。
イスラエルメディアはどう報じたか
ラリージャーニー氏のレバノン訪問はイスラエルメディアでも広く報じられ、「地域での影響力を強化し、抵抗の枢軸を支援するための戦略的な訪問」との見方が紹介されました。イスラエルの12チャンネルは、「イランが抵抗の枢軸の強化と外国からの圧力に対して断固たる立場を取ることで、明確なメッセージを送っている」と伝えました。