最新の分析;イランによる米国の重要なレーダーの破壊:米国防総省にとっての新たな問題
-
イランが米軍の航空システムを破壊
イランが米国の空爆とミサイル攻撃への報復としてクウェートにある米軍基地を攻撃した際、米国の重要なレーダー施設が破壊されました。
【ParsTodayイラン】クウェートのアフマド・アル・ジャベル基地にあるレーダー・AN/FPS-117が破壊されたことに注目すると、なぜこれらのレーダーがそれほど重要なのかという疑問が生じてきます。
このレーダーが戦略的に重要であることは、近年の地域情勢において明確に示されています。2026年3月と7月の攻撃において、イランの無人機はサウジアラビアとクウェートの空軍基地にある少なくとも2基のレーダーの破壊に成功しました。軍事専門家は、これらの長距離レーダーを無力化することで、地域における米国の防空網に大きな「死角」が生じ、防衛システムの対応(可能)時間が大幅に短縮されると考えています。その理由は、これらのレーダーが偵察の第一層として、防空司令部に重要なデータを提供していることにあります。
レーダー・AN/FPS-117は、米国ロッキード・マーティン社が製造する長距離三次元(距離、高度、方向)航空監視システムです。このレーダーはLバンド(1215~1400MHz)で動作し、AESAアクティブ電子走査アレイ技術を採用しているため、複数の目標を同時に高精度で追跡することが可能です。
このレーダーは探知範囲が370~460kmにも及び、高度30kmまでの目標を探知できます。また、その主な特長は、低消費電力と最小限の人員による運用が可能であることで、遠隔地への配備に最適とされています。
このシステムは元来、1980年代の「プロジェクト・シック・イグルー」において、米国とカナダの老朽化したレーダー・DEW指向性エネルギー兵器の代替のために設計されたものです。現在では、戦闘機、ミサイル、無人機などの空中の脅威を早期に警戒するため、湾岸諸国を含む多くの米国の同盟国において、NATO北大西洋条約機構における標準装備となっています。
これらの説明を踏まえると、米国に対するミサイルや無人機の脅威に対抗する上で、これらのレーダーが果たす重要な役割が明らかになります。このレーダーの役割は、早期警戒にとどまらず、空中脅威の探知における第一線であるとともに、空域の監視、三次元迎撃、目標分類も担っており、事実上、米国の防空網の「目」とみなされています。つまり、遠くから攻撃を察知し、その種類を認識し、ミサイルシステムに正確な標的位置を指示する役割を担っているのです。
しかし、それらの破壊が重要な主な理由は、指揮統制(C2)システムに正確な座標を提供できることにあります。これにより、ミサイル誘導レーダーは空中で監視すべき角度、そしてミサイルが標的を攻撃すべき方向を正確に把握できるのです。
つまり、このレーダーはアンテナが1回転するたびに、各目標の3次元座標(距離;精度50メートル、方向角、仰角;精度0.18度)と目標の視線速度を計算し、このデータをグローバル座標(緯度/経度/高度)に変換して、Link-16戦術データリンクを介してCRC航空作戦管制センターに2~6秒間隔で送信します。
このセンターでは、指揮統制ソフトウェアが複数のレーダーから受信したデータを統合し、目標の将来の軌道を予測することで、ミサイル迎撃レーダー(パトリオットなど)のための正確な照準範囲を描き、レーダーが空全体をスキャンする時間を無駄にせず、予測された地点のみに集中できるようにします。同時に、システムの中央コンピュータは弾道方程式を解き、目標の軌道の数秒先の着弾点を計算してミサイルに送信します。
このことから、レーダーAN/FPS-117自体はミサイルの直接誘導ではなく、最も正確な座標の提供により、防衛システムの迅速かつ正確な標的設定に重要な役割を果たしていることになります。そのため、このレーダーが破壊されるということは、アメリカ軍が防衛ネットワーク全体の調整に不可欠な長距離監視能力を失うことを意味するのです。
ラジオ日本語のソーシャルメディアもご覧ください。