週刊イラン
この1週間に起こった主な出来事です。 イランイスラム革命最高指導者のハーメネイー師が、コーラン朗誦国際大会の出場者と会談しました。
イラン南東部の国境地帯で、イランの国境警備隊員数名がテロリストの攻撃を受け、殉教しました。
イランとロシアの国防大臣がモスクワで会談しました。
5月19日に実施されるイラン大統領選挙に向け、選挙の雰囲気が高まっています。
イランイスラム革命最高指導者のハーメネイー師は、先週木曜、コーラン国際大会に世界83カ国から出場した朗誦者らと会談し、イスラムのアイデンティティが、敵の支配や干渉の妨げになっているとしました。
ハーメネイー師は、イスラム共同体の現在の問題は、西側の政治、経済、文化的な支配にあるとし、「現在、イスラム諸国の多くがイスラム的なアイデンティティを持っておらず、敵は、彼らの文化、信条、経済、政治、社会関係に入り込むことができ、イスラム教徒の間に対立や戦争を引き起こしている」と述べました。
ハーメネイー師が語ったように、残念ながら、イスラム諸国やイスラム教徒の国民はコーランから遠ざかり、その真の内容を把握できていません。それが、敵の悪用、不信心の拡大、依存の原因になっています。アメリカ、シオニスト政権イスラエル、強奪者に対するイスラム諸国の現在の状況は、このような無知とコーランからの乖離の結果です。もしイスラム諸国がコーランとイスラムのアイデンティティに近づいていたら、これらの問題のすべては解消していたでしょう。
こうしたことから、ハーメネイー師は、全てのイスラム諸国の責務は、真のアイデンティティとコーランの価値観に注目することだとし、大きな目的を果たすために、敵の陰謀に対してイスラム共同体が賢明さを保ち、イスラムやコーランを正しく理解することを強調しています。ハーメネイー師は、このような歴史的な流れに注目し、これまで何度も、イスラム諸国の間でイスラムのアイデンティティが弱まれば、敵がこれらの国への影響力を拡大するための土台が整ってしまうと語ってきました。
ハーメネイー師は、コーランから遠ざかることで、敵の悪用や不信心の拡大、依存を招くとし、「アメリカ、シオニスト政権、強奪者に対するイスラム諸国の現在の状況は、コーランから遠ざかった結果であり、コーランとイスラムのアイデンティティに近づけば、これらの問題のすべては解決するだろう」と語りました。
間違いなく、イスラム諸国は、その大きな可能性によって、コーランやイスラムのアイデンティティを強化することで、地域に対立を生み出すための敵の陰謀や影響力を阻止することができるでしょう。しかし、イスラム諸国が敵の思惑通りに副次的な問題にとらわれれば、敵がイスラム諸国の富を強奪し、支配するための下地が整ってしまうのです。
ハーメネイー師は、イスラムの預言者ムハンマドの召命日に際して、イスラム諸国の大使や体制責任者を前に演説し、覇権主義者がイスラムに敵対している真の理由を理解することは、イスラム諸国の責任者の責務だとしました。
ハーメネイー師は、「アメリカがあるイスラム国家には同調し、別のイスラム国家には敵対する目的は、イスラム世界の統一を阻止し、イスラム社会の利益に対するイスラム教徒の共通の理解を妨げることにあることを、イスラム諸国は理解すべきだ」と述べました。
先週水曜夜、イラン南東部のスィースターン・バルーチェスターン州のパキスタンとの国境で、イランの国境警備隊員10人がパトロール中にテロ攻撃に遭い、殉教しました。
これまで、スィースターンバルーチェスターンの国境地帯では、多くのテロが行われてきました。これまで、近隣諸国の国境関係者と多くの話し合いが行われてきましたが、近年、パキスタン国内からのテロ攻撃により、イランの市民や国境警備隊員が、スィースターンバルーチェスターンの国境地帯で殉教しています。今回のテロでも、テロリストは衝突の後、イラン国境警備隊員を殺害し、パキスタンの国境から国内に逃走しました。
イランのローハーニー大統領は、国家安全保障最高評議会と外務省に対し、この問題に最後まで真剣に対応し、このような卑劣な行動の再発を阻止するよう求めました。ローハーニー大統領はさらに、パキスタン首相へのメッセージの中で、パキスタン側からの約束にも拘わらず、同国からのイランに対するテロが繰り返されているとしました。
残念ながら、必要な対策が取られていないために、イランの国境警備隊員や市民に対する被害が繰り返されています。テロリストがパキスタンの国内に逃亡したり、パキスタンからイランの国境警備隊員への銃撃が行われたりしていることは、パキスタン政府の対応の弱さを示しています。
イランのデフガーン国防軍需大臣は、先週、モスクワ国際安全保障フォーラムに出席しました。この会議は、世界80か国から700人が出席する中で開催されました。
デフガーン大臣はこの会議で演説し、世界の情勢不安に触れ、「世界の安全保障の脅威は、アメリカの新大統領の決定や無責任な言動と、アメリカ、シオニスト政権イスラエル、イギリス、サウジアラビアによるテロ組織への支援の継続によって拡大している」と語りました。
モスクワ国際安全保障フォーラムでは、シリアとイエメンのテロ組織と地域におけるその拡大、中東や世界の最近の情勢について話し合いが行われました。デフガーン大臣はこれについて、重要な点を提起し、安全保障上の脅威が拡大している原因を説明すると共に、世界の罪のない人々の殺害に対する国際機関の沈黙とダブルスタンダードを批判し、「世界は、テロ組織の誕生と成長の要因を消滅させ、テロと断固戦うための真剣な意志を必要としている」と語りました。
デフガーン大臣はまた、ロシアとシリアの国防大臣と、3者協議を行いました。この協議では、シリアの最新の情勢について話し合いが行われました。3か国の国防大臣は以前にも、2016年6月にテロ対策をテーマにした会合をテヘランで開催していました。
イラン国防大臣によるモスクワでの協議に合わせ、イラン外務省のアジア・アフリカ担当次官とロシアの大統領特別代表が、シリアのテロ組織への対策に関する最新の状況について話し合いました。両者はテヘランで開催されたこの会談で、シリア危機の解決に向けた次期アスタナ会議の開催に向け、努力を続けることを強調しました。
イランの大統領選挙に向けた雰囲気が高まっています。今回の大統領選挙に立候補しているのは、ミールサリーム氏、ジャハーンギーリー現第一副大統領、ローハーニー現大統領、ライースィー師、ガーリーバーフ・テヘラン市長、ハーシェミータバ―氏の6人です。
この6人は、それぞれがこれまでにそれなりの経歴を持ち、選挙に出馬しています。現在、候補者たちは、討論会や選挙戦の中で自身の計画を紹介しています。
6人の候補者は、先週金曜、選挙に関する一回目の討論会を行い、その模様は複数のテレビやラジオで生中継されました。
この討論会により、選挙に向けた競争が高まっています。
この討論会では、主にそれぞれの候補者による計画や見解、社会問題が取り上げられました。第12期イラン大統領選挙は、第5期市町村議会選挙と共に、5月19日に実施されます。
最高指導者のハーメネイー師は、先週、イスラムの預言者の召命日に際し、体制責任者と会談を行い、大統領選挙の候補者に対し、国家の発展、経済開発、問題の解決に向け、注目が国外に向かないことを国民に約束するよう求めました。