核合意、トランプ大統領とアメリカの国際的な信用にとっての試練
イランのローハーニー大統領が、核合意は、核協議に参加したすべての国とその他の世界の国々にとっての大きな試練だとし、「約束の履行は、一つの政府が世界から信用されるための基本だ」と語りました。
ローハーニー大統領は、トランプ政権の核合意に関する最終決定を前にした11日水曜、「協議に参加したすべての国がこの合意を遵守すれば、それは自分たちの威信を保つことを意味する。またそれを遵守しない国があれば、それは実際、自分の威信を傷つけることになる」と強調しました。
イランと世界の大国6カ国が、2年に及ぶ困難な協議の末、2015年に核合意を締結したとき、それは互いに対する信用に基づいたものではありませんでした。核合意を実現したのは、国際的な取り決めに沿って、協議の参加国が納得する合意に至ることであり、それが核合意という形となり、国連安保理決議2231によって、国際的な側面を帯びることになりました。2016年1月に核合意が実施されたときから、この合意の実施を保障していたのは、紙の上での合意ではなく、協議に参加した国々の誠意と信頼であり、この合意に対する責任の受け入れが、核合意を推進するための主な条件でした。国に対する信用や信頼の基盤は、国際的な合意への遵守であり、この原則を怠れば、その国は世界から無責任な国と見なされます。
現在、核合意の実施からおよそ2年が経過する中で、アメリカ政府は、不信と信用の瀬戸際に立っています。トランプ政権のすべての兆候は、核合意の信号が、不信に向けて点滅していることを示しています。そしてこのことは、イラン国民と世界の人々に、改めて、アメリカ政府は決して信用できないということを証明しています。これについて、EUのモゲリーニ外務・安全保障政策上級代表は、11日水曜、「アメリカが核合意を離脱した場合、この国が信用できないことを世界の国々に示すことになり、アメリカの国際的な信用が失墜するだろう」と語りました。
アメリカのサンダース上院議員も、11日、核合意を再び支持し、「トランプ大統領が核合意を認めなかった場合、アメリカが孤立するだけだ」と強調しました。
トランプ政権がアメリカ国内の法に基づき、イランの核合意の遵守についてどのような決定を下すか、また核合意の今後がどうなるかはさておき、イランはあらゆる場合に備えています。イランの体制責任者は、核合意について再び協議を行うことはなく、トランプ政権のあらゆる決定に対して計画を有していることをはっきりと表明しています。
ローハーニー大統領は、「イラン国民は、アメリカを信用したことはなく、アメリカがイランの国益に対して何を行ってきたかを知っている。だが現在、すべてのことがさらに明らかに並んでおり、さまざまな道がある。核合意が失敗しても、イランの利益や目的の推進に問題が生まれることはないだろう」と強調しました。