週刊イラン
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アルバインの追悼儀式
この1週間にイランで起こった主な出来事です。 シーア派3代目イマーム、ホサインの殉教から40日目のアルバインの追悼儀式がイラクで行われ、数百万人のイラン人巡礼者が参加しました。 イランのザリーフ外務大臣が、タジキスタン、ウズベキスタン、フィリピンを訪問しました。 パキスタン参謀総長がテヘランを訪問しました。 サウジアラビアが主導する連合軍が、イランに対して根拠のない非難を行いました。

イスラム暦サファル月20日にあたる今月9日は、シーア派3代目イマーム、ホサインとその教友たちが、イラクのカルバラで圧制に対して蜂起し、殉教した日から40日目のアルバインの日でした。今年も、このアルバインの追悼儀式に参加するため、何百万人というイラン人巡礼者、そして近隣諸国の巡礼者が、カルバラまでの80キロの道のりを徒歩で移動しました。
アルバインの日、イラン全国の大学生の団体が、最高指導者のハーメネイー師とともに追悼儀式に参加しました。
ハーメネイー師は大学生を前に、アルバインの追悼儀式が盛大に行われたことを称賛し、次のように語りました。
「この集会は、すべての人の意志を強固にするものでなければならない。重要なのは、この中で常に歩みを固定させ、困難や苦難の影響を受けてはならない、ということだ」
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イランのザリーフ外務大臣は、先週、タジキスタン、ウズベキスタン、フィリピンを訪問しました。
ザリーフ外相は、先週水曜、タジキスタンの政府関係者の正式な招待を受け、同国の首都ドゥシャンベに入りました。イランとタジキスタンの関係は、常に、多くの重要性を有してきました。イランとタジキスタンの人々の間には、昔から、文化、宗教、言語の面での結びつきが存在しています。政治や経済の分野でも、タジキスタンの平和と繁栄を促すため、イランが建設的な役割を果たしてきたことが伺えます。
イランは、タジキスタンの独立を正式に認めた最初の国のひとつです。その後も、1992年から97年のタジキスタンの内戦の中で、イランは、衝突を終わらせ、仲介役を務めるために多くの努力を行い、それは、タジキスタン政府と反体制派の和平協議の開催につながりました。カザフスタンのユーラシア国立大学研究所の研究員であるクノソフ氏は、イランと地域諸国の関係について次のように語っています。
「中央アジアにおけるイランの利益は独自のものであり、対等な関係を有している。とはいえ、軍事、経済面などのポテンシャルの点で、イランはすべての地域諸国を上回っている」
ザリーフ外相は、タジキスタンの政府高官との会談後、ウズベキスタンの重要な歴史都市であるサマルカンドに向かいました。ザリーフ外相と、ウズベキスタンのミルズィヤエフ大統領の会談では、エネルギーやトランジット分野の協力、イラン・ウズベキスタン・アフガニスタンの鉄道分野の協力に関する作業部会の設置、テロとの戦いについて話し合いが行われました。
ザリーフ外相はまた、先週金曜、「中央アジアの持続可能な発展・治安」国際会議で演説し、イランの戦略は、地域の平和、安定、平穏に向けた努力と協力の強化、拡大であると表明しました。
ザリーフ外相は、「イランは、核合意の実現と、この合意に基づくすべての取り決めの履行により、核兵器の不拡散を遵守していることを証明してきた」と強調しました。さらに、中央アジアの非核化は、安全保障への正しい理解に基づく措置だとし、「2013年、暴力と過激派に対抗する世界について、イランが提案した決議は、中央アジアの集団の協力に向けた適切な枠組みだ」と語りました。
ザリーフ外相は、先週土曜、イランとASEAN東南アジア諸国連合の協力文書に署名し、この組織の関係者と会談するため、フィリピンを訪問しました。ASEANには、マレーシア、インドネシア、タイ、ベトナム、カンボジア、フィリピン、シンガポール、ミャンマー、ラオス、ブルネイの10カ国が加盟しています。

先週、パキスタンのバジュワ陸軍参謀長がイランを訪問しました。バジュワ陸軍参謀長は、イラン統合参謀本部議長の招待により、軍事代表団を率いてイランを訪問しました。この訪問では、両国の軍事関係者が、防衛、安全保障協力の向上、国境の安全確保、その他の関心事について意見を交換しました。
イランはパキスタンと900キロ以上の国境を接しています。このような地理的状況により、イランとパキスタンのテロ対策に関する協力と国境の安全の向上に向けた努力が不可欠であり、この重要な問題は、両国の安全保障協力の優先事項となる必要があります。
イランとパキスタンの国境における悪しき活動は、イラン政府にとって耐え難い問題です。パキスタン国内からテロ組織がイランに侵入できるのは、パキスタンが、テロリストに対して真剣な対策を取っていないことが原因です。明らかに、イランはテロリストに対処する上で十分な力を有しています。

サウジアラビア連合軍は、先週、イランに対して根拠のない非難を行いました。この非難は、報道各社で一斉に伝えられました。先週、イエメン軍が、リヤドのキング・ハーリド国際空港をミサイルで攻撃したことを受け、サウジアラビア連合軍は、イランに対して根拠のない非難を浴びせ、「イエメンの攻撃は、イランからイエメンに移送された軍備によって行われた」と主張しました。
サウジアラビアのジュベイル外務大臣は、「イランの地域への干渉が、世界の安全保障や平和、近隣諸国の安全保障を損なっている」と主張しました。また、イランに敵対する立場を繰り返し、サウジアラビア政府は、イランの敵対的な行動に対し、適切な時期に適切な形で応じる権利があると考えていると脅迫しました。
イラン外務省のガーセミー報道官は、イランに対する非難を否定し、「サウジアラビア連合軍に対するイエメンの人々の反応の理由は、他のどの国でもなく、サウジアラビアの侵略の中に見出すべきだ」と語りました。
トルコの新聞、イェニサファクは、この情勢変化をレバノンの出来事、レバノンのハリリ首相の突然の辞任といった角度から分析し、次のように記しています。
「サウジアラビア、アラブ首長国連邦、イスラエルは、イラク北部の敗北を挽回するため、イランの地域への影響力を弱める目的で、ハリリ首相を辞任させた。彼はサウジアラビアのテレビ局から放送された映像の中で、イランとレバノンのシーア派組織ヒズボッラーが、レバノンの内政に干渉し、情勢不安に関与していると非難した」
サウジアラビアは、特にアブドラ国王の死後、イランとの関係を悪化させ、この緊張の裾野は、集団の安全保障にまで及んでいます。こうした中、イエメン戦争は、サウジアラビアにとって消耗戦となっています。