週刊イラン
(last modified Tue, 12 Dec 2017 08:17:51 GMT )
12月 12, 2017 17:17 Asia/Tokyo

この1週間に起こった主な出来事です。 イスラムの預言者ムハンマドの生誕日の祝祭が開催されました。 イランイスラム革命最高指導者のハーメネイー師が、軍の司令官らと会談しました。 アメリカのトランプ大統領が、聖地ベイトルモガッダス・エルサレムをシオニスト政権イスラエルの首都と決定したことに対し、イランの国民や政府関係者が反発しました。

先週イランは、イスラムの預言者ムハンマドと、シーア派6代目イマーム、サーデグの生誕日を迎えました。

 

シーア派とスンニー派を含むイランの人々は、先週、預言者ムハンマドとイマームサーデグの生誕日を祝いました。預言者ムハンマドの生誕日については、シーア派とスンニー派で説が異なっており、この間を取った期間が、イスラム統一週間とされています。

ハーメネイー師

 

先週水曜、預言者ムハンマドとイマームサーデグの生誕日に、最高指導者のハーメネイー師が、イランの大統領、国会議長、司法府長官、体制責任者、イスラム諸国の大使、イスラム統一国際会議の参加者と会談しました。

 

ハーメネイー師は、この会談の中で、「イランには、イスラム諸国と対立する動機はない。イラン国内に統一と同胞愛が広まっているように、イスラム世界にも、統一と連帯が広まることを望んでいる」と強調しました。ハーメネイー師は次のように語りました。

 

「地域におけるアメリカの追従者たちに我々が伝えたいのは、忠告である。彼らには、世界の圧制者への奉仕は、彼ら自身の損害になること、コーランの教えによれば、圧制者に同調しても、その結末は消滅のみだということを伝えたい」

 

ハーメネイー師は、一部の地域の支配者がアメリカの要求に従っていることに遺憾の意を示し、「アメリカ、シオニスト政権イスラエル、そして大国の傀儡は、現代世界の暴君、圧制者だ」とし、次のように語りました。

 

「一部のアメリカの政治家は、シオニスト政権が安全地帯を確保し、イスラム世界に発展する力を持たせないようにするため、西アジアに戦争や衝突を生み出す必要があることを認めている」

 

イスラムは、連帯と統一、共感の宗教です。1979年のイスラム革命勝利後、この革命の指導者であったホメイニー師は、イスラム教徒の連帯を強化するため、統一週間という構想を提示しました。この構想は、イスラム共同体の統一の重要性を示すためのものとなっています。

 

イスラム共同体の統一と、シオニストをはじめとするイスラムの敵への抵抗は、明らかに、イスラム世界の苦痛を和らげ、イスラム共同体が力と誇りを手に入れるための方法です。この中で、ハーメネイー師が語ったように、パレスチナ問題は、現在、イスラム共同体の政治問題のトップにあり、すべての人は、パレスチナ人の自由と解放のために努力する義務を負っています。聖地ベイトルモガッダス・エルサレムをシオニスト政権の首都と宣言する、といった行動は、悪しき目的を果たすための、イスラムの敵の努力を示しています。

 

トランプ大統領は、先週、地域や世界の大規模な反対にもかかわらず、聖地ベイトルモガッダスをシオニスト政権の首都に認定すると宣言しました。

 

この行動は、イランやイスラム諸国の抗議を招きました。イランの外務省、イスラム革命防衛隊、国軍は声明を発表し、このアメリカの行動を強く非難しました。

 

ハーメネイー師は、このような行動は、彼らの無力からくるものだとし、次のように語りました。

 

「イスラム世界は、このような陰謀に抵抗し、シオニストはこの行動によって、より大きなダメージを蒙ることになる。パレスチナは間違いなく、最後には解放されるだろう」

イランの人々は、全国各地で大規模なデモを行い、アメリカ大統領が、ベイトルモガッダスをシオニスト政権の首都と宣言したことを強く非難しました。

 

イラン全国では、先週金曜、金曜礼拝の後、人々が、パレスチナを支持する内容が書かれたプラカードや横断幕を掲げ、「アメリカに死を」、「イスラエルに死を」のスローガンを叫び、シオニスト政権の旗に火をつけました。

 

デモ参加者は、決議の中で、「アメリカは大悪魔であり、人類の第一級の敵、地域や世界の戦争や情勢不安の元凶である。すべての人は、パレスチナ人の解放と救済のために努力する義務がある」としました。この決議はさらに、「パレスチナの領土は、トランプ大統領が今回のような決断によって、その歴史を変えることができるようなものではない。聖地を占領政権の首都に認定することには何の法的根拠もなく、聖地は永遠に、パレスチナの首都であり続ける」としています。

ハーメネイー師

 

「イラン軍は、国民を敵から守るため、思想、行動、意志の点で最高の人材を必要としている」

 

イラン全軍の総指揮官を務めるハーメネイー師は、先週、治安部隊の上級司令官らと会談し、この重要な点を強調すると共に、敵のイスラム体制とイラン国民に対する敵対は終わることがないとし、「このような敵対に対処するため、治安部隊の能力を強化すべきだ」と語りました。

 

イランの政策は、緊張や軍事的な衝突を避けるものですが、イランに対する侵略を許すことはありません。イランの治安部隊は、重要な場面で力を発揮し、イランの安全を守るだけでなく、国外の安全や安定を崩そうとする勢力に対しても、力強く対抗できることを示しました。ハーメネイー師が、治安部隊の上級司令官との会談で行った表明も、優秀な人材の強化と抑止力の向上に向けたイランの意志を物語っています。

 

イランのハータミー国防軍需大臣は、これについて次のように語っています。

 

「国内の力に頼り、1980年代のイランイラク戦争の聖なる防衛時代の重要な業績を利用することで、現在、イランは抑止力を有しており、いかなる国にも、脅迫の言葉を実行に移すのを許さないだろう」

 

イランのザリーフ外務大臣は、カスピ海沿岸諸国の会合に出席するため、ロシア・モスクワを訪問しました。また、イランのラーリージャーニー国会議長も、列国議会同盟の会合に出席するため、ロシアを訪問しました。

 

この他、先週、イランは重量挙げの世界選手権で輝かしい成績を収めました。

イランは、金メダル5個、銀メダル3個、銅メダル6個を獲得し、アメリカで開催された世界選手権で優勝しました。ハーメネイー師は、メッセージの中で、この大会で優勝した代表チームを称賛しました。

ハーメネイー師はまた、ポーランドで開催されたレスリングの23歳以下世界選手権で、86キロ級に出場したキャリーミー選手が、シオニスト政権の選手との対戦を拒否したことを称賛しました。キャリーミー選手は、この階級の金メダルの最有力候補でした。

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