週刊イラン
(last modified Tue, 27 Feb 2018 12:28:33 GMT )
2月 27, 2018 21:28 Asia/Tokyo

それでは、この1週間の主な出来事です。 スペインとオランダの外務大臣がテヘランを訪問しました。 イランの国防軍需大臣が、アゼルバイジャンを訪問しました。 イラン・アーセマーン航空の旅客機が、イラン南東部で墜落しました。

先週、イランの航空会社、アーセマーン航空のATR型機が墜落する事故が起こりました。

 

この航空機は、先週日曜、テヘランのメフラーバード空港を離陸したあと、イラン南東部のヤースージに向かう途中、中部イスファハーン州のセミーロム行政区南部にあるデナー山の山岳地帯で墜落し、乗客乗員66人全員が死亡しました。

アーセマーン航空

 

先週、ヨーロッパ2カ国の外務大臣が、イランを訪問しました。オランダのカーフ外相とスペインのダスティス外相は、この訪問で、二国間関係と地域・国際問題についてイランの政府高官と会談しました。フランスのルドルアン外務大臣も、近く、イランを訪問する予定です。

 

ザリーフ外相とダスティス外相

 

こうした中、イランのアラーグチー政治担当外務次官は、政治代表団を率い、イランとイギリスの政治協議に出席するため、ロンドンを訪問しました。

 

アラーグチー次官は、ロンドンを訪問した際、王立国際問題研究所で講演を行いました。

 

このような訪問は、核合意を壊すためのトランプ大統領の妨害的な行動から1年が経過する中で行われています。

 

今なお、イランとヨーロッパ諸国を引き離すためのアメリカの圧力は続けられています。

 

EUはこれまで、トランプ大統領の要求によって、核合意による利益を失うつもりはないことを示してきました。しかし、核合意以外の問題に関しては、それほど透明な立場を取っていません。

 

イランのアメリカに対する不信感は、これまでの経験や、アメリカの覇権主義的な目的に対する現実的な見方に基づくものです。実際、核合意は、アメリカの妨害により、協議の当初に決められた目的や、関係者によって明確にされた目的にいたることができていません。そして、このような約束不履行は世界的な関心事になっており、この問題に対する懸念があちこちから聞こえています。

 

EU諸国は、このようなアメリカの政策を批判しており、地域の安定や安全の維持におけるイランの重要な役割を認めてはいるものの、アメリカの反イランの主張に同調し、イランのミサイル能力は脅威だと言う主張に関して、同様の解釈を行っています。しかし、この問題は他国にはまったく関係がありません。

 

イラン外務省のガーセミー報道官は、このような発言は、論理的な根拠のないものだとし、「イランはこのような原則に反する立場を、無責任で疑惑を抱かせるものと見なし、それを拒否する」と語っています。

 

イランのアラーグチー外務次官も、ロンドンの王立国際問題研究所で行った講演の中で、次のように強調しました。

 

「核合意は、シリアやイエメンの問題、イランのミサイル問題には関係がない。これらの問題を提起することは、別の問題を複雑化することになる。イランは、核合意の利益を得られないのであれば、それを離脱する。イランは地域の安定と平和を求めており、地域の安定と安全を助けるために多くの支援を行ってきた」

 

アラーグチー外務次官

 

イランは、地域諸国への干渉に反対しているだけでなく、外交政策において、地域の人々の主権と独立の尊重を訴えています。イランのザリーフ外相は、ツイッターで次のように語りました。

 

「地域の平和と安定の確立に対するイランのメッセージは明らかである。共に歩むか、共に負けるかだ」

 

ザリーフ外相は先週、ロシアのヴァルダイ国際討論クラブで開催された中東情勢に関する会合で、「イランは常に、地域の危機を政治的に解決するための方法を見出そうと努めてきた」と強調しました。

ザリーフ外相

 

政治問題の専門家であるザーレイー氏は、アメリカなどの国がテロを拡大してきた目的は、一つの国の環境を変え、そこを占領国の犯罪や攻撃の場所にすることにあるとし、次のように語っています。

 

「アメリカは、このような行動により、自分たちに反対する政権を転覆させ、その一方で、イスラムの暴力的なイメージを広めようとしている」

 

イランのハータミー国防軍需大臣は、先週、アゼルバイジャンを訪問しました。この訪問は、防衛分野での両国の関係拡大を目的に行われ、防衛産業における共同生産に関する協力、軍事・防衛面での協力に関する合意書の調印により、幕を閉じました。

 

ハータミー大臣は、アゼルバイジャンへの訪問で、軍事産業や防衛に関する貴重な協議を行いました。また、アゼルバイジャンの軍事・防衛施設を視察しました。ハータミー大臣は、先週水曜、アゼルバイジャンの国防大臣との会談で、「イランの原則的な政策は、すべての近隣諸国と良好な関係を確立することだ」と強調しました。

 

先週、テヘラン北部で非常に残念な出来事が起こりました。(「ダルヴィーシュ(修行僧の意)・ゴナーバーディ(ゴナーバードはイラン北東部の地域の名)」と名乗る)暴徒の一団が、テヘラン北部のパースダーラーン通りで暴動を起こし、多くの自動車に被害が出ました。


混乱後のパースダーラーン通り

 

先週月曜、この地域に安全と平穏を確立するための警察と治安部隊の作戦の中で、3人の警官と2人の民兵組織・バスィージの隊員が殉教しました。この作戦では、このほか治安部隊の隊員およそ30人と暴徒数人が負傷しました。

 

この暴動を受け、イランのローハーニー大統領は、ラフマーニーファズリー内務大臣に対し、この事件の詳細を調査し、社会の秩序を乱したすべての人物を特定するよう求めました。ラフマーニーファズリー内相は次のように語りました。

 

「法を破ろうとする人々は、警察の冷静な態度を、消極的な態度と履き違えるべきではない」

 

戦略問題の専門家であるモハンマディ氏は、テヘランのパースダーラーン通りで起きた暴動について、次のように記しています。

 

「テヘランの暴動の真の問題は、ダルヴィーシュと呼ばれる集団ではない。これは誤った解釈だ。この集団は基本的に、イランで問題だったことはない。問題は、イランに常に暴力を作り出し、イランを破壊するプロジェクトを実施しようとする反革命派、特にモナーフェギンをはじめとする反革命派グループの明らかな意図であり、暴力を、イランや人々に見返りを要求するための機会と捉える政治的なグループのプロジェクトにある。このような流れを支持する一部のグループは、数年前から、現在の状況のひどさや経済問題を理由に、“イスラム体制に対する抗議”として、街頭で暴動が起きる問題を予想していた」

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イラン統合参謀本部のバーゲリー議長は、警官3人とバスィージの隊員2人の殉教を受け、メッセージの中で、次のように表明しました。

 

「このような行動は、何よりも、革命勝利記念日の行進へのイラン国民の盛大な参加と、抵抗陣営の度重なる勝利からくる屈辱を挽回するための、敵の悪しき努力を示している。イランの治安部隊や警察は、テヘランのパースダーラーン通りで起こったような見世物を、暴徒たちが繰り返すことを許さないだろう。また、市民の安全に対するあらゆる脅威には、断固対応する」

 

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