週刊イラン
(last modified Tue, 26 Jun 2018 11:32:54 GMT )
6月 26, 2018 20:32 Asia/Tokyo

この1週間に起こった主な出来事です。

イランイスラム革命最高指導者のハーメネイー師が、イラン国会の関係者との会談で、重要な表明を行いました。

アメリカの国連人権理事会からの離脱に対し、イランが見解を表明しました。

イランとフランスの政治協議の新ラウンドが始まりました。

 

ハーメネイー師と国会関係者の会談

 

先週、ハーメネイー師は、国会の議長や議員らとの会談で、重要な表明を行い、理不尽な大国の地域における目的を説明しました。

 

この時間はまず、この問題からお話しましょう。

 

アメリカと覇権主義体制に対抗してきたイランは、地域の人々の敵の本質をよく理解しています。イランはこれまで何度も、かつてイラクのサッダームフセインを支持し、中東を戦争や情勢不安に陥らせた敵たちが、現在も、同様の覇権主義的な思想により、今度はテロとの戦いを口実にして、悪しき目的を果たそうとしていると表明してきました。ハーメネイー師が指摘したように、世界の覇権主義者や強奪者は、地域の一部の政権と共謀しており、それを続けるために、イランを敵であるように見せようとしています。

 

ハーメネイー師はこれについて、イエメン西部のフダイダ港を奪うために最新の武器を持つ数カ国がイエメンを攻撃していることは、世界の理不尽な国々の悪しき本質を示す例だとし、「これらの人類の敵は、イラン国民が公正を追求し、抵抗しているために、イランのイスラム体制にも敵対している。だがイラン国民は、神の恩寵により、国内の強化を続けると共に、アメリカとその他の敵に勝利するだろう」と語りました。

 

ハーメネイー師は、世界の理不尽な国々の悪しき本質が日々、明らかになっていることに触れ、「アメリカで数千人の子供が親から引き離されている犯罪の映像は、人間の心を痛めるものだが、アメリカは完全な悪意によって、移民の親子を引き離している」と語りました。

アメリカで引き離される移民の親子

 

ハーメネイー師のこの発言は、西側の人権に関する主張のダブルスタンダードを示すものであり、アメリカは、これに関して、非常に長い経歴を有しています。

 

アメリカは先週、シオニスト政権を支持し、国連人権理事会から離脱しました。アメリカのポンぺオ国務長官とヘイリー国連大使は、47か国が理事国を務める国連人権理事会は、シオニスト政権に敵対していると非難しました。

 

イラン司法府人権本部のラーリージャーニー書記は、このアメリカの行動について次のように語っています。

 

「アメリカの国連人権理事会からの離脱は、テロ活動の隠蔽、政治ゲーム、ダブルスタンダードから遠ざかる行動として人権を捉えるすべての国にとって、非常に喜ばしいことと捉えられるべきだ」

 

ラーリージャーニー書記は、アメリカの国連人権理事会における存在は、この理事会の威信を傷つけることになったとし、「シリア、イラク、イエメン、バーレーン、アフガニスタンで起こっている犯罪の元凶であり、ISISやアルカイダなどのテロ組織の誕生、支援、誘導に関わった国々は、国連人権理事会に居場所はない」と述べました。

 

アメリカの政治家は、彼らの欺瞞的な行動によってもたらされたイエメン、アフガニスタン、イラク、シリアの人々の苦痛を、プロパガンダの口実にしています。アメリカは、世界の指導者という主張が幻想にすぎず、世界はこのような犯罪の記録を持つ覇権主義的な指導者を必要としていないことを理解すべきでしょう。

 

FATF(マネーロンダリングに関する金融活動作業部会)

 

最近、マネーロンダリングに関する金融活動作業部会へのイランの加盟に関する議論が、イラン国会で提起されています。イラン国会では、先週、この問題に関する審議を続ける中で、この法案の本質に注目し、2か月間、この法案に関する審議を中止することを決定しました。

 

アメリカなどの大国は、自分たちの目的を果たすため、国際的な条約を悪用しています。十分な知識を持たずにこれらの条約に加わることは、世界の大国の支配や影響力を拡大し、国益を脅かすためのきっかけになりえます。

 

ハーメネイー師は、国会関係者との会談の中で、このような国際的な条約や協定に賢明に対応する必要性を強調し、次のように語りました。

 

「これらの条約は、大国の指令室で、彼らの利益を確保するために作成され、その後、同盟国や追従国が加わり、表面的に国際的な形をとる。もしイランのような独自の立場をとる国が、それらを受け入れなければ、その国を攻撃し、例えば150か国が受け入れたのに、なぜあなた方はそれを拒むのかと言う」

 

ハーメネイー師のこの表明は、注目すべき重要な点を指摘しています。一部の国際条約は、それに加わらなければ、非難を浴びることになります。しかし、それを受け入れる前に、その条約に関する知識と透明性が必要になっています。

 

マネーロンダリングに関する金融活動作業部会に盛り込まれている項目は、イランの国会、国家安全保障最高評議会、外務省によって完全に分析されています。持続可能な開発のための2030アジェンダも同じ種類のものです。専門家によれば、このアジェンダは、肯定的な点も含まれているものの、注目を怠ると、国、宗教、文化の点から損害を被るような問題が含まれています。

 

アメリカなどの大国の真の目的は、人権擁護やテロ対策、民主主義といった偽りの主張の中に隠されています。ハーメネイー師は、これらの事実を説明する中で、「イラン国会は、テロ対策やマネーロンダリング対策といった問題に関して、直接、法を制定すべきだ」と強調しました。

 

イランとフランスの政治協議

 

先週水曜、イランとフランスの協議の新ラウンドが行われました。ここからは、この問題についてお話ししましょう。

 

イランとフランスの5回目の政治協議が、テヘランで開催されました。この協議では、イランのアラーグチー外務次官と、フランス外務省のモンテーニュ欧州局長がそれぞれの首席を務めました。両者は核合意の維持と、すべての国による核合意の完全な実施、そして両国の関係の拡大と強化を強調しました。

 

イランとフランスは、今回の協議で、さらに、地域や世界の情勢に関して意見を交わし、現在の危機や対立の最新の状況について話し合うとともに、イエメン戦争をはじめとする危機の政治的な解決を急ぐことが不可欠だとしました。

 

パリでのモナーフェギン幹部の集会

 

テロ組織との戦いも、イランとフランスの協議の議題のひとつでした。この協議は、アラーグチー次官が、西側によるテロ組織への支援に触れ、イランの反体制派テロ組織、モナーフェギンのフランスにおける活動の継続に、イランが抗議する機会となりました。アラーグチー次官は、フランスでのモナーフェギンの活動を阻止するよう求めました。

 

テロの犠牲になった殉教者本部のハーシェミーネジャード事務局長は、これについて、テレビのインタビューで、西側によるすべてのテロ組織への支援に触れ、「モナーフェギンのメンバーは、イラクにいた後、民主主義を主張するために、現在はそのイメージを変えている」と語りました。

 

ハーシェミーネジャード事務局長は、モナーフェギンは、自分たちの犯罪が忘れ去られるよう努めているが、そのようなことが起こってはならないとし、「イランでは、37のテログループによって、1万7000人以上が殉教した。彼らのすべては、人権擁護を主張する国々に本部を有しており、西側から、政治、メディア、資金などの面で支援を受けている」と語りました。さらに、「テロ支援の真の姿は、アメリカとシオニスト政権の中に見ることができる」と強調しました。

 

アメリカの情報専門家は、昨年12月26日、トランプ大統領に書簡を送り、イランをテロの真の支援者だとするトランプ政権の発言に対して懸念を表明し、「テロの支援者は現在、サウジアラビアであり、イランではない。アメリカ政府は、イランに敵対するモナーフェギンを支援した過去がある」と強調しました。