イラン外相のアジア訪問
イランのザリーフ外務大臣が、スリランカの政府高官と両国の関係拡大について話し合うため、31日火曜、スリランカの首都コロンボに入りました。
ザリーフ外相は、今回のアジア訪問で、シンガポールで開催中のASEAN東南アジア諸国連合の会合にも出席することになっています。ASEANに加盟しているのは、マレーシア、インドネシア、タイ、シンガポール、フィリピン、ベトナム、ブルネイ、ラオス、ミャンマー、カンボジアの10カ国です。
アジア重視は、常に、イランの外交政策において重要性を有してきましたが、現在、外交関係にバランスを作り出すために効果的なアプローチとして、その重要性を高めています。ザリーフ外相のアジア訪問は、アメリカが、制裁や貿易を、イランとの戦略的な駆け引きのために利用しようとしている中で行われています。こうした中、イランとアジア諸国の協力は双方の利益であるため、アメリカがイランを孤立させる上での問題となっています。
アジアのイランへの見方を戦略的にしている重要な要素は、エネルギー、特に石油です。また、シルクロードの経済プロジェクトと地域の貿易におけるイランの役割も、北と南のルートとチャーバハール港の開発により、イラン、中国、その他のアジア諸国の最も重要な協力の分野となっています。
中国をはじめとするアジアの大国や、ASEANなどの経済組織は、アメリカに同調しようとしていません。このような見方により、イランとアジアの合意実施の速度が増しており、双方は、相互の協力や同調へと向かっています。世界経済におけるASEAN諸国の地位の高まりや共通の経済利益は、重要な機会を作り出しており、それをうまく活用する必要があります。言い換えれば、イランの経済的な成果の多くは、西側ではなく、アジアとの協力において得られるものなのです。
この中で、東南アジア協力協定へのイランの加盟は、ASEANとの関係拡大に向けた下地として評価されます。ASEANは、6億2500万人以上の人口を擁し、アジアの大きな経済の一部と見なされています。この組織は、東南アジアの最も重要な国々で構成されており、政治、経済、戦略の点で非常に重要です。
この地域は、輸出のための広大な市場です。東アジアの専門家であるファルズィーニヤー氏は次のように語っています。
「この地域は、特に経済や安全保障の点で、世界的に特別な重要性を有している。イランは、東南アジアの国々と、政治、経済、安全保障の分野で協力を行うことができる」
こうしたことから、現在、アジア重視の政策において新たな段階が始まっており、急速に発展しています。そして、この協力が、東南アジア諸国とイランの関係拡大の土台となることが期待されているのです。