米シンクタンクの分析:「対イラン攻撃はトランプ大統領の反戦政策の失敗」
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米・イスラエルの対イラン戦争への反対を叫ぶ米国市民のデモ
米シンクタンク・Responsible Statecraft(責任ある政治手腕をめざすクインシー研究所)が、ホワイトハウスの対イラン攻撃への米国市民の反対を示す全国世論調査の結果を引用し、「トランプ米大統領の攻撃は戦争の終結及び、軍産複合体の力への対処という自らの約束を完全に破ったことを物語っている」との見解を示しました。
【ParsToday国際】イルナー通信によりますと、米とシオニスト政権イスラエルによる対イラン戦争は、米国内における広範な反戦勢力の存在を示す新たな証拠を豊富に示した形となっています。
この報告はまた「現在、停戦の不安定な状態が続いているにもかかわらず、複数の全国世論調査からは、トランプ大統領のイラン攻撃が全米で幅広く不評を買っていることが判明した」としています。
さらに「トランプ大統領のイラン攻撃前と直後に実施された世論調査では、トランプ大統領の支持者の中心層さえもイスラエルによる戦闘行為への米の関与に大々的に反対していることが明らかになった」と述べられています。
イギリスの調査会社ユーガブ(YouGov)が一連の爆撃後に行った世論調査によれば、調査対象となった米国市民の85%が「アメリカがイランと戦争状態になることを望まない」と回答し、賛成したのはわずか5%でした。また同じ調査から、トランプ大統領の攻撃に反対する人の数が、賛成する人の数をはるかに上回っていることも明らかになりました。
ロイター通信と仏世論調査会社イプソスによる共同調査でも大きな差が見られ、爆撃に反対した人の割合は45%だったのに対し、賛成派は36%に留まりました。加えて、米CNNの世論調査ではさらに大きな差が見られ、反対派が56%、賛成派は44%で、12ポイントの差が出ています。
この世論調査によりますと、トランプ大統領の対イラン関係への対応について、不支持派が支持派を約20%上回りました。さらに、「攻撃によって米国の安全保障が弱まる」と考える人と、「強化される」と考える人の間にも、同様の見解の隔たりが明らかになっています。
「アメリカ国民は反戦を掲げるトランプ氏を支持してきた」とする報告では「トランプ氏の攻撃は、戦争の開始ではなく、軍産複合体の『一掃』という公約に対する完全な失敗を物語っている。もっとも、イスラエルによる違法かつ不当な対イラン戦争に米国を巻き込むことで、トランプ氏は事実上、終わりのない戦争への道筋を踏襲していた。米国政府はイスラエルの防衛、武器供与、情報共有、そして戦争の調整において積極的な役割を果たしてきた」と述べられています。
米シンクタンク・Responsible Statecraftは最後に結論として「トランプ氏はこれを『12日間戦争』と呼ぼうとするかもしれないが、その影響が12日間にとどまらないことは明らかだ。同様に、トランプ氏がもう1つの終わりのなき戦争に加わっていることは、多くのアメリカ国民が戦争に反対しているという新たな証拠となっている。爆弾が投下されれば一般市民が苦しみ、戦争で漁夫の利益を得る輩が益々私腹を肥やすということを、人々は熟知している」と結んでいます。