IAEAは核アパルトヘイト機関;イスラエル・ディモナに沈黙、イランには圧力行使
(last modified Sat, 05 Jul 2025 07:05:38 GMT )
7月 05, 2025 16:05 Asia/Tokyo
  • ラファエル・グロッシIAEA国際原子力機関事務局長
    ラファエル・グロッシIAEA国際原子力機関事務局長

IAEA国際原子力機関はダブルスタンダードを採用しており、現実には国際安全保障の守護者ではないのみならず、今や核のアパルトヘイトという人種差別制度の代行機関と化しています。

米国政府の全面的な連携と直接的な関与のもとで続行されたシオニスト政権イスラエルによる対イラン侵略は、核不拡散とこのプロセス継続におけるIAEAの役割に関して、たちまち国際的な論争を引き起こしました。
今回の戦争は、NPT核兵器不拡散条約の役割があくまでも、西側諸国と帝国主義による国際覇権のプロセスの完結および、他国の弱体化をはかり西側帝国主義による核技術独占の確立にあることを物語っています。
【ParsTodayイラン国際】メフル通信によりますと、IAEAとその理事会は12日間にわたる今回の戦争の前に決議声明を発表し、「イラン政府は、ウラン濃縮を控えIAEA査察官の査察手続きの円滑化という約束を履行していない」と主張していました。
奇しくもこの決議発表の数時間後、地域で唯一の核兵器保有政権でNPTに署名していないイスラエルが、IAEA加盟国であるイランの核施設に対する攻撃を開始しています。
この問題は、イスラエルによる侵略の正当化および、核兵器の独占や各国政府への脅迫行為にIAEAが関与していることを明らかにしています。またラファエル・グロッシIAEA事務局長は、シオニスト政権によるイランの民間人と核施設への侵略に対して、「深い懸念」を表明するのみにとどまりました。
アイルランドの作家ディラン・エヴァンス氏はこの点に関して、「IAEAは公平な機関とは考えられず、逆に西側諸国、特にIAEAの決定に広範な外交的影響力を持つ米国の影響に押され完全に偏った運営を行っている。IAEAはイランに対して強い敵対姿勢を示し、イランの核開発計画に関して西側諸国、イスラエル、米国の安全保障上の反対的主張をしばしば繰り返している。これは、過去5年間でIAEAが採択した反イラン的な決議としては5件目となる」と述べています。
さらにIAEAのイランに対する対応とイスラエルへの対応と比較し、「過去20年間、イスラエルがNPTに署名せず、同政権占領地ディモナなどの施設がIAEAの監視下になく、その活動がIAEAの保障措置と監視の枠組み外で行われているにもかかわらず、IAEAはイスラエルの核計画に関していかなる決議も出していない」と述べました。
イスラエル政権は2018年、イランの核文書に関する一連の情報をIAEAに提供したと主張しており、このことにより査察が拡大するとともに、平和目的によるイランの核活動に対する新たな疑念が浮上しました。
IAEAは、NPTに非加盟でしかも核兵器を保有するイスラエル政権からのこの証拠を受け入れ、自らの中立的な主張を完全に破った形となっています。
内部告発サイト・ウィキリークスが2010年に公開した機密文書には、2009年から2019年までIAEA事務局長を務め、イランの核開発計画に対抗して米国と強いつながりを持っていた故・天野之弥氏が、西側諸国の情報機関の仲介を通じて、イランの重要な中枢機関からの機密情報を米国情報機関とシオニスト政権に提供していたことが記載されています。
この報告によれば、イランは国際的な制裁を受けており、同国の核活動が危険だという確固たる証拠もないまま多くの要求がイランに突きつけられている一方で、イスラエルに対してはNPT加盟と核施設の査察許可を迫るような国際的な圧力行使や国際決議は出されていません。
 

 


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