カスピ海沿岸5カ国、「法的地位に関する協定」に署名
カスピ海沿岸5カ国の首脳が、カスピ海の領有権や海底資源活用に関するカスピ海の法的地位に関する協定に署名しました。
ファールス通信によりますと、イランのローハーニー大統領、ロシアのプーチン大統領、カザフスタンのナザルバエフ大統領、アゼルバイジャンのアリエフ大統領、トルクメニスタンのベルディムハメドフ大統領は、25年に及ぶ努力の末、12日日曜、カスピ海沿岸諸国の首脳会合で、カスピ海の法的地位に関する協定と6つの協力文書に署名しました。
5カ国の首脳が、この地域のさらなる協力の拡大のために署名した文書には、テロ対策や組織犯罪対策に関する協力、カスピ海沿岸諸国の国境管理組織の協力、経済協力、運輸、この海域での事件や災害の防止に関する協力となっています。
カスピ海沿岸5カ国の首脳は、法的地位に関する協定に署名した後、共同声明を発表し、この協定は、見解一致の原則に基づき、すべての国の相互利益を考慮したものだとしました。
ローハーニー大統領は、カスピ海沿岸5カ国の首脳との共同記者会見で、「法的地位に関する協定の署名により、カスピ海沿岸諸国のよりよい関係、地域の安定と安全の強化に向けた新たな一歩が踏み出された」と語りました。
さらに、「カスピ海はその沿岸の5カ国のみに属すると明言されたことで、外国の軍はこの地域を通行することはできず、この海域の安全は、沿岸の5カ国のみによって守られる。これはカスピ海の安全が確保されることを意味する」としました。
ローハーニー大統領はまた、カスピ海の可能性や利点として、輸送の可能性と石油・天然ガス資源を挙げ、「イランは輸送の分野で重要な役割を有しており、カスピ海の東部では、トルクメニスタンやカザフスタンと、西部ではアゼルバイジャンとロシアとの協力により、ヨーロッパ、中央アジア、コーカサスをペルシャ湾やオマーン海とつなげることができる。これは、カスピ海が地域の内外を結ぶ役割を果たすことを意味する」と語りました。