ドキュメンタリー・イラン
テヘラン・絨毯博物館(日本語のナレーション付)
今回の「ドキュメンタリー・イラン」では、テヘランの絨毯博物館をご案内いたしましょう。
絨毯博物館があるのは、テヘラン市中央に広がるラーレ公園の北西の一角です。
この建物の外側は、絨毯の織機の形のような美しい装飾がされています。建物の外観は、建物の外壁に影を落とすことで、建物内部を涼しく保つように設計されています。 この絨毯博物館には、1階、2階併せて3400㎡の広さに及ぶ、2つの展示場があります。
1階はイランの絨毯の常設展示場で、2階は特設の展示場として使用されています。
この博物館には、7世紀から現在に至る約150点の絨毯とキリム(と呼ばれる敷物の一種)が展示されています。 見学者は、この博物館でイランに存在する宗教的なデザインやモチーフを見ることができます。
ペルシャ絨毯は、最も有名なイランの手工芸品の一つとして知られています。 ペルシャ絨毯は、様々な色遣いで有名です。絨毯に使われる色は15色から25色で、それぞれの色には独自の意味があります。
絨毯の模様は、それを織った人の信念と感情を反映するもので、実際、ペルシャ絨毯のデザインは、織り手の文化、信念、そして生活環境が映し出されています。
ペルシャ絨毯は、イランの芸術と文化の集合体と言えます。この博物館は、イラン各地の様々な絨毯を展示しています。
デザインには、花や鳥、動物などの自然の要素や、数世紀前の昔のモチーフが描かれています。 中には王と貴族の家系図を織った絨毯もあります。
それぞれの絨毯の背景には、独特の物語があります。村人の日常生活を反映したカーペットもあれば、イランの大詩人フェルドウスィーによる英雄叙事詩「シャーナーメ・王書」の物語を題材に取った絨毯も展示されています。
この博物館には、パズィリクと呼ばれる最古の手織り絨毯のレプリカが展示されています。この絨毯のオリジナルはロシアのエルミタージュ美術館に収蔵されています。この絨毯にはイランを起源とするモチーフやアケメネス朝の意匠が多く見られ、ペルシャ絨毯の歴史が2500年前まで遡ることの証となっています。
この博物館には7,000冊以上の蔵書を有する図書館が併設されており、研究者や芸術愛好家がこれらを利用できるようになっています。
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