イラン東アーザルバーイジャーン州アハル地方 シェイフ・シャハーボッディーン・アハリー博物館(日本語のナレーション付)
(last modified Tue, 14 Apr 2020 08:14:18 GMT )
4月 14, 2020 17:14 Asia/Tokyo
  • シェイフ・シャハーボッディーン・アハリー博物館
    シェイフ・シャハーボッディーン・アハリー博物館

東アーザルバーイジャーン州アハル地方 シェイフ・シャハーボッディーン・アハリー博物館

イラン北西部・東アーザルバーイジャーン州の州都タブリーズからおよそ100キロメートルの距離にあるアハル地方には、神秘主義者で詩人だったシェイフ・シャハーボッディーン・アハリーの庵と墓廟があります。

シェイフ・シャハーボッディーン・アハリーは、今からおよそ800~900年前にあたるイスラム暦6世紀から7世紀にかけての人物です。彼はイスラム暦580年に生まれ、665年に亡くなったとされています。歴史資料や遺跡調査から分かっているのは、この庵がサファヴィー朝時代、おそらくシャーアッバース1世の治世に建てられたということです。

この建物は、庵、モスク、高いテラス、ミナレット(尖塔)、いくつかの小部屋で構成されています。シェイフ・シャハーボッディーン・アハリー・モスクは敷地の東端にあり、漆喰細工と絵画装飾が施されています。

建物の庵の部分は、イラン暦1374年(西暦1995年)に文学・神秘主義博物館に改装され、国内で唯一の神秘主義を扱う博物館となっています。博物館の文学コーナーには、手書きのコーラン、イランの名高い抒情詩人サアディ―の名作『ゴレスターン』などの文学作品や詩集、イランの神秘主義詩人モウラヴィ―の詩集など、神秘主義関連の書物ではサファヴィー朝からガージャール朝にかけての貴重な写本が保管されています。

また神秘主義コーナーには、ダルヴィーシュと呼ばれる神秘主義修行者が使用していた、文章の刻まれた喜捨用の深鉢、彼らの集会の図、彼らがかぶっていた特徴のある帽子や所持していた金箔や銀箔が貼られた斧などが展示されています。

この博物館の驚くべき収蔵品のひとつが、幅50cm、長さ3.6mになる巻物です。ナスフ、スルス、ゴバールといった書体でコーランの各章が装飾とともに記されています。

また、貴重な収蔵品のひとつに回転足付きの木製扉があります。イスラム暦7世紀のものと確認できる文章の入った彫刻や象嵌が施されています。

アハル地方への旅でホテルに泊まり人々の歓待を受け、この地方特有の甘い砂糖菓子を堪能すれば、こだわりの強い旅行者にとっても思い出深い旅となるのは間違いありません。

 

(字幕)

「親愛なる国民の皆様、どうぞアハルにお越しください。私たちは大歓迎致します。アハルの気候は爽やかで、春と夏はとても美しいです!」

 

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