視点:イラン外相が迫る国連安保理の対応 武器制裁解除の行方
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「国連安保理決議2231に関する安保理の新たな制限設定は全て、イラン国民に与えられた根本的な約束への違反となる」
(last modified 2025-10-27T01:35:03+00:00 )
7月 01, 2020 18:03 Asia/Tokyo
  • ザリーフ外相
    ザリーフ外相

「国連安保理決議2231に関する安保理の新たな制限設定は全て、イラン国民に与えられた根本的な約束への違反となる」

イランのザリーフ外相は、米ニューヨーク現地時間の30日火曜、イラン核合意関連決議2231の実施状況に関する、グテーレス国連事務総長の9回目の報告の検討を目的に開催されたオンライン会合において、「イランは、武器禁輸制裁の延長に対して断固たる選択肢をとるだろう」と語りました。

この決議の中では、事務総長が半年ごとに定期報告を行い、決議の実施状況に関して、安保理に報告書を提出することが義務付けられています。この方向で30日、最新の報告が理事会会合で読み上げられ、理事国はこれに関して意見を交わしています。

今回の報告に関して注目すべき点は、過去の複数回の報告に比べて、対イラン武器制裁延長を狙うアメリカの工作に同調が見られるということです。それは、グテーレス事務総長が核合意実施をめぐり読み上げた報告は、安保理決議2231の内容にも反し、現実から乖離した内容だったからです。

これに関するザリーフ外相の演説は、以下の複数の点から重要性を有しています。

第1の点は、ザリーフ外相の演説が特定の国による一方的な行動に対して、国際社会のレベルで最も包括的な批判を含んでいるということです。

第2の点は、ザリーフ外相が演説においてあらためて、アメリカの行動、さらにはそうした行動の続行に対して果たすべき国際機関の役割を、国際世論の裁断に委ねたことです。

第3の点は、ザリーフ外相が、イラン核合意が定める条項の完全履行に関して、イランの立場を強調していることです。

ザリーフ外相はこれに関して、「決議2231において今後予定されている武器制裁の解除期限は、非常に苦労して得られた合意内の不可分の了解条項である。この了解条項によって、核合意の各当事国がこの合意と決議2231の内容全体について最終的に意見を一致させることを可能にした」と指摘しています。

そして、核合意や地域の安全保障に関するイランの明確なメッセージを、全ての安保理理事国や地域諸国にアピールしています。

ここで明らかなことは、安保理決議が国際法の一部をなし、全ての当事国によって実施される必要があるという点です。ところが、アメリカは核合意と安保理決議2231で定められた自身の責務を公然と放棄し、イランに対する最大限の圧力政策に転じました。しかし、こうしたアメリカのやり方に安保理常任理事国のロシアと中国は強く非難しています。

中国の張軍国連大使は、「アメリカは、国際的な対イラン制裁の復活を可能にする紛争解消システムを発動する権利は一切ない」と断言しました。

この安保理会合を総括すると、以下の2つの重要なポイントに集約することができます。

第1の点は、安保理に対するイランの期待です。

第2の点は、常軌を逸したアメリカの行動に対する国際レベルでの反応です。

アメリカの一方的な政策に対する反発の声が日々増大していることから、この種の反応は年内に予定されている米大統領選において、トランプ米大統領の運命にとってはあまり希望の持てる要素でないことが推察されます。

いずれにせよ、現在の特別な状況の中で、アメリカの一方的な行動に対する安保理の役割が今一度試されることになります。そして、安保理がその責務を徹底して履行するのでなければ、ザリーフ外相の言葉を借りると、「その行動は、多極主義や法の支配においてひと世代後退する」ことになるのです。

ザリーフ外相が指摘しているように、国際社会は全体的に、また安保理は特別な形で、1つの重大な決断を迫られています。その決断とは、法の支配を維持するのか、それとも、ある違反者の気まぐれや優柔不断さに押されて、無法状態へと退行するのか、ということなのです。

 

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