3月 28, 2021 20:16 Asia/Tokyo
  • 南北輸送回廊
    南北輸送回廊

スエズ運河がこの数日間船舶の座礁によりふさがれ、世界経済に1日あたり90億ドルの損失を与えていることを受け、ロシアに駐在するジャラーリー・イラン大使が、「スエズ運河を使った物流の代替経路として、南北輸送回廊の活発化が以前にもまして重要性を帯びてきた」と述べました。

イルナー通信によりますと、ジャラーリー大使は27日土曜、ツイッターにおいて、スエズ運河というリスクの高い物流経路に代わる南北輸送回廊という選択肢に触れ、「南北輸送回廊は、20日間の輸送期間短縮と最大30%の費用削減がかなう、物流においてスエズ運河に代わる、より優れた選択肢である」としました。

そして、「スエズ運河での先日の出来事は、年間10億トン以上の商品がスエズ運河を通過していることを考えると、よりリスクの少ない物流経路の選択を視野に入れることが必要であることを示している。南北輸送回廊は、輸送期間が20日間短縮され、費用も最大30%削減される点で、スエズ運河よりも優れている」と説明しました。

ジャラーリー大使

南北輸送回廊は、地球の東半球を抜ける戦略的物流経路のひとつです。

イランが持つ戦略的・地理政治学的・地理経済学的な地位は、世界の大国が昔から今にわたるまで注目してきました。イランは、鉄道・街道の経路建設に適しているうえ、南部のペルシャ湾岸およびオマーン海岸から南東部マクラーン海岸まで続く長い海岸線を持ち、さらに北部でカスピ海にも面していることから、近年は世界経済における大量生産業者らの注目を集めていました。もし建設の終わっていない一部の鉄道・街道経路が完成すれば、イランは国内鉄道・街道を使った物流によって、多大の収入を得ることが可能になります。

スエズ運河

 

日本の正栄汽船が所有し台湾のEvergreen Marine社が管理するコンテナ船「Ever Given」号は、今月23日、中国からオランダ・ロッテルダムに向かう途中、スエズ運河の北方151㎞地点で座礁事故を起こしました。同船は長さ400m、幅59mあり、積載容量はおよそ22万4000トンとなっています。

この事故により、世界でも最も商業関係の通行量の多い場所のひとつであるスエズ運河は、せき止められることになりました。エジプトのオサマ・ラビ(Osama Rabie)スエズ運河庁長官は、「スエズ運河の通過を待つ船舶の数は、320隻以上に達している」と発表しました。

地中海と紅海を繋ぐスエズ運河は、全長163㎞に達し、世界の海上輸送の10~12%は同運河を利用しています。1日あたり数十隻の船舶が、欧州からアジアへ、またその逆の航路において、アフリカ大陸を迂回する代わりにスエズ運河を通っています。

 

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