核合意合同委員会の声明に反応したイラン 「米による段階的制裁解除を受諾しない」
(last modified Sat, 03 Apr 2021 09:29:57 GMT )
4月 03, 2021 18:29 Asia/Tokyo
  • 核合意合同委員会
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イランが核合意合同委員会の声明に反応し、「わが国は、米の制裁の段階的な解除を基本としたいずれの計画も受諾しない」と強調しました。

核合意合同委員会会合は2日金曜、ボレルEU上級代表に代わりエンリケ・モラ(Enrique Mora)欧州対外活動庁事務次長を議長とし、中国、フランス、ドイツ、ロシア、イギリス、そしてイランの各国代表らが参加し、外務省政治局長および外務次官級で行われました。

第18回核合意合同委員会の終了に際して、議長のエンリケ・モラ事務次長は声明を発表し、核合意メンバー国として、共同での努力という枠組みでの対イラン核合意へのアメリカの完全な復帰を扱う用意があることを表明しました。

あるイラン政府高官筋は、今年1月8日のわが国のイスラム革命最高指導者ハーメネイー師の核合意に関する表明に触れ、「イランは全ての制裁の解除、およびそれが検証された後にのみ、核合意内の責務履行に復帰するだろう」と語っています。

この政府高官筋はまた、「制裁の段階的な解除または、間接的な対米交渉を基本とした核合意合同委員会の結論は、受諾不可能だ」としています。

核合意合同委員会会合でイラン代表団の団長を務めたアラーグチー外務次官も、「アメリカの核合意復帰に協議は一切必要なく、これに関してアメリカが進むべき道は完全に明白だ」とし、「米国は核合意から離脱し、イランに違法な制裁を課した通りに、核合意に復帰して法への違反行為を停止できる」と語りました。

核合意合同委員会の声明に対するイランの反応は、この合意の行き詰まりを打開する上で非常に重要な以下の2つの重要なポイントを指摘しています。

第1の点は、アメリカの約束違反に対する、核合意内でのイランの権利の復活を明白に強調していることです。その理由は、核合意は多国間による国際合意であり、国連安保理もこれを承認、保障していることによります。

第2の点は、イランが現在の行き詰まりの打開に向けた論理的な解決策を強調していることです。

イラン原子力庁サーレヒー長官は2日金曜、音声SNSクラブハウスでの表明において、核合意の行き詰まりが打開されつつある事に触れ、「核合意に関する協議は当初の軋轢から技術的な段階に入っている事は、行き詰まりが打開されつつあることを意味し、また吉報をもたらすものだ」と語りました。

しかし、ここで存在している疑問は、アメリカが既に失敗した制裁政策や最大限の圧力行使という政策から距離を置くか、ということです。

アメリカは一方的な決断により核合意から離脱し、解除されていた制裁を復活させた上に、捏造された事実無根の疑惑を口実に、イランに対し追加制裁を行使し、他国にもこの制裁の実施を迫りました。

イランが制裁解除戦略法の施行により核合意内の責務履行を段階的に縮小したことは、イランの合意違反ではなく、イランの自発的な責務の一部を縮小する以外の何物でもありません。核合意の第26条項と36条項に照らし、この合意の相手側がその責務を履行しなかった場合には、イランは自らの責務の履行の一部または全部を停止できる事になっています。このため、残された唯一の道はアメリカがこれまで歩んできた道を立ち戻り、核合意に復帰する事以外にありません。現状において重要なことは、核合意内に明記された合意への復帰方法です。

イランイスラム革命最高指導者のハーメネイー師が明言しているように、アメリカが紙面上でなく、実際の行動上で制裁を全廃し、それがイラン側により検証された場合に、イランは核合意内の全責務の履行に復帰する意向です。

 

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