ウィーン協議参加の英仏ロが交渉終了を暗示も、イランはレッドライン遵守を主張
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イランと英仏独中露の4+1グループの国旗
ロシア、イギリス、フランスが対イラン制裁解除を目指してのオーストリア・ウィーン協議の終了をほのめかすも、イラン側は自らの譲れない一線が守られるべきだと主張しています。
ウィーン協議は、アメリカによる圧政的で違法な制裁の解除を中心議題として、イランと英仏独中露の4+1グループの間で現在も行われています。
国際通信イランプレスによりますと、英仏およびロシアの上級代表らは、ツイッター上にメッセージを発表し、ウィーン協議の終了をほのめかす文言を発しています。
しかし、アミールアブドッラーヒヤーン・イラン外相は4日金曜、ボレルEU外務安全保障政策上級代表と電話会談し、「最終合意への署名を目的としたウィーンへの関係国外相の参集は、経済面での効果的な保証を含む、イラン発表のレッドラインの完全遵守が条件だ」と語りました。
また、「わが国は、即時の良好な合意を最終的なものにするための用意ができている」とし、「西側の相手国の性急な行動では、イランが求める譲れない一線の遵守を妨害できない」と述べています。
ハティーブザーデ・イラン外務省報道官は3日木曜夜、ツイッターで「ウィーン協議は依然として続いている」とし、「残された全ての重要な問題が解決しないうちは、誰も合意が成立したとは断言できない」としました。
さらに、「時期尚早のよいニュースは、良好な合意の代替にはならない」とし、「現在、最終的かつ重要な歩みに全力集中がなされている」と語っています。
ウィーン協議は、イラン代表団のイニシアチブにより一連の進展を見せていましたが、特にバイデン米政権をはじめとする西側諸国が、米前政権の行使した違法な制裁の影響の補償を遅らせ、また最大限の圧力行使政策を続行していることから、アメリカの核合意復帰への真意が疑問視され、協議プロセスそのものが長期化しています。
責任を受容する国であるイランはこれまでに何度も、核合意に違反した側がアメリカであることから、制裁解除により合意に復帰すべきはアメリカであり、さらに同国の責務履行状況は検証確認される必要がある、と表明しています。
一方、バイデン米政権は、ウィーンで進行中の協議を通じて、アメリカの核合意鬱気の下地を整える意思があると主張しています。
しかし、アメリカはこれまで自らの核合意復帰の前提条件である一連の責務の履行を渋っており、事実上イランに対する最大限の圧力行使政策を続行している形となっています。