May 30, 2016 21:25 Asia/Tokyo
  • サウジアラビアによるイラン人の聖地巡礼への妨害

サウジアラビアは、今年のハッジ・メッカ巡礼儀式を前に、イランとの全面的な国交断絶に続き、イラン人巡礼者の聖地訪問を妨害しました。

モッラーイー解説員

昨年、サウジアラビア関係者の管理不足により、メッカ巡礼儀式の中で大惨事が発生しました。これにより、イラン人巡礼者400人以上、その他の国の巡礼者数千人が命を落としました。こうした中、サウジアラビアは現在、イラン人巡礼者に関して屈辱的な合意案を提示しました。この案はイランの政府と国民によって拒否されました。

イラン人巡礼者の誇りと尊厳を守ること、巡礼者の安全を確保すること、イラン人巡礼者の領事問題への対処法を提示すること、イラン国内でイラン人巡礼者のビザを発給すること、これらが、メッカ巡礼に関する協議の中で、イランの代表団が主に強調した事柄でした。2度の協議の中で、サウジアラビアの関係者が示した言動や妨害により、事実上、今年のメッカ巡礼は妨害されました。

サウジアラビアの関係者は、イラン側との話し合いの中で、イラン人巡礼者のために尊厳と安全を伴う巡礼を保証しようとせず、常に、イラン人の巡礼を妨害しようとしてきました。イランメッカ巡礼機関のオウハディ長官は、OICイスラム協力機構のマダニ事務局長が、今年のメッカ巡礼儀式に関する対立を解決するため、サウジアラビアの関係者との協議で真剣な努力を行ったが、実を結ばなかったとし、「サウジアラビアの協議団は、対立を解消するための決定権や権限を持たなかった」と語りました。

イランメッカ巡礼機関は、29日日曜、声明を発表し、サウジアラビアの妨害により、イラン人巡礼者は今年の儀式に参加できなくなったとしました。この発表によれば、サウジアラビアは、メッカ巡礼を政治的な問題と結びつけ、イランとの例年の合意に変更を加えました。この声明では、「サウジアラビア政府は、メッカ巡礼を政治的に利用し、イラン人巡礼者の明白な権利に反対している」とされています。

サウジアラビアは、数ヶ月前から、イスラム諸国の間でイランに対するプロパガンダを行ってきましたが、自分たちの行動を論理的なものに示すことはできませんでした。彼らは、イスラム世界の世論からの強い圧力のもと、合意案にわずかな変更を加えてイランの代表団を再びサウジアラビアに招待し、イラン側が合意に署名しなければ、イラン政府に責任があるように見せようとしました。

サウジアラビアは、その主張に反し、メッカ巡礼の問題を政治関係と結び付け、様々な問題において、イランと対立し、しばらく前から、イランとの緊張に基づいた政策を取っています。最新の言動により、サウジアラビアは、巡礼者の安全と健康の確保、領事分野での支援といった最低限の責務を拒否しています。

メッカ巡礼は、イスラムの重要な宗教義務のひとつです。イスラム教徒は、特別な条件つきで、イスラム暦ゼルハッジャ月の最初の10日に、サウジアラビアのメッカを訪問し、一連の行為を済ませることが義務付けられています。しかし、サウジアラビア政府がそれを妨害するとき、侮辱や屈辱を伴う旅は許されるのでしょうか?

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