イラン外相が、トルコのダム建設を批判
May 10, 2022 18:23 Asia/Tokyo
イランのアミールアブドッラーヒヤーン外相は、イランを含む地域諸国およびトルコを流れる複数の河川においてトルコが行うダム建設により地域の人々に問題が起きているとして、同国を批判しました。
トルコ政府は、自国とアルメニア、イラン、アゼルバイジャンを流れるアラス川、および自国とシリア、イラクを流れるチグリス川とユーフラテス川において水流を管理・占有することで、イランを含めたこれらの国々の重要な水資源を堰き止め危機を引き起こしており、その影響はクウェートやサウジアラビアにまで及んでいます。
トルコによるこの措置は、地域の危機を広げる原因となっているだけでなく、地域の人々の日常生活にも損害を与えています。
ダムの開発・建設計画により、トルコの各クルド人居住地域に残された千年に及ぶ文明の遺産や歴史的遺跡が水没しただけでなく、イラクの人々もこの命をつなぐ水源を奪われています。
イラクへの水流が減ることで最も考えられる影響は、被害を受けた同国の農業が失われることや砂漠化する土地の増加であり、その副次的影響は、これまで以上にイランにも及ぶと予想されます。
イルナー通信によりますと、イランのアミールアブドッラーヒヤーン外相は10日火曜の国会において、トルコによる無法なダム建設について述べ、「トルコ政府に対しては、アラス川でのダム建設において隣国としての慣習に真剣に留意するよう要請している」と説明しました。