6月 09, 2022 15:19 Asia/Tokyo
  • ハティーブザーデ・イラン外務省報道官
    ハティーブザーデ・イラン外務省報道官

ハティーブザーデ・イラン外務省報道官は、米英豪の3カ国間安全保障パートナーシップ・AUKUSについて、「潜在的に核兵器拡散のリスクを高める可能性があり、これに関しての一部の国の隠蔽行為や政治的正当化、沈黙は一連の懸念の解消の助けにはならない」と語りました。

AUKUSは、集団的自衛権や集団防衛を目的に2021年9月に、中国の脅威に関する懸念の増大を口実として、米・英・オーストラリアにより締結された、3カ国軍事・安全保障同盟条約です。

この条約に基づき、米英は原子力潜水艦の開発・配備に向けオーストラリアに支援を行い、太平洋地域への西側諸国の軍事駐留を拡大しようとしています。

イルナー通信によりますと、ハティーブザーデ報道官は8日水曜の会見で、最近のIAEA国際原子力機関理事会会合でAUKUSの3カ国協力が議題となったことに対するイランの見解について、「IAEAは核分野の専門機関として、各加盟国による核エネルギーの平和利用に寄与し、核兵器拡散を阻止する責務を負っている」と語りました。

また、「核エネルギーの平和利用は、NPT核兵器不拡散条約の全ての署名国の権利である」と述べています。

さらに、「わが国は、特に米英をはじめとする西側諸国によるNPT加盟国に対するダブルスタンダードの対応を強調するとともに、これまでの核兵器不拡散の分野におけるオーストラリアの負の歴史に注目している」としました。

そして、「AUKUSは、潜在的に核兵器拡散のリスクを高めうるものだ」とし、「これに関する一部の国の政治的な正当化や隠蔽行為、沈黙は懸念の払拭の助けにはならない。わが国は全ての国に対し、核兵器拡散の危険や平和への脅威への対抗を呼びかけるとともに、NPT規約に定められた自らの責務を遵守するよう求める」と語っています。

最後に、「IAEA内でAUKUSによる核兵器拡散のリスクを調査するとした提案を、イランとして支持する」と結びました。

 


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