イランの観光産業が40%成長
WTTC世界旅行ツーリズム協議会が、2021年にイランの観光産業が40%増長したことを明らかにしました。
イルナー通信によりますと、世界規模で活動する唯一の観光関連企業の団体であるWTTCは、2021年における世界の観光産業の成長率を21.7%と発表しています。
2020年は新型コロナウイルスの感染拡大による一連の往来・移動規制が敷かれた影響で、観光産業は50.4%のマイナス成長となり、4兆9000億ドルの損失を受けました。
しかし、2021年は前年よりコロナ関連規制が緩和されたことから、世界経済は観光産業により1兆ドルの利益を得ています。
この報告によりますと、2020年におけるイランの観光産業は45%マイナス成長し利益を逸失していましたが、2021年には40%成長し、経済循環規模も戻ってきました。
また、2020年のイラン経済全体における観光産業の割合は3.1%でしたが、2021年には4.1%に上昇しています。
この報告ではさらに、観光産業の回復により、イランにおける同産業関連の雇用創出も増加しているとされました。
これにより、2020年時点ではイランの観光産業の従事者数は120万人だったのが、2021年には70万人増加して190万人となっています。
なお、コロナ危機の影響により、イランの観光産業界は2020年、雇用機会を34%逸していたことになります。
イランでは観光産業の回復に伴い、同国の労働市場全体における観光産業の割合も増加し、2020年の4.8%から2021年には5.1%に上昇しました。
複数の統計から、2021年にイランを訪問した外国人観光客により25億ドルの外貨収入がもたらされており、これは2020年より31.3%の増加となっています。
2020年のこの数字は、その前年より81.6%減少して19億ドルにまで落ち込んでいました。
2021年にイランに入国した外国人観光客を国籍別に見ると、最も多かったのはイラク国籍者で、全体の34%を占めています。
一方、イラン人海外旅行者にとって最も重要な訪問先の1つはトルコでが、反対にトルコ人もイラン旅行を歓迎しており、2021年には多くの人々がイランを訪れました。
2021年にイランに入国した外国人でイラクに次ぎ2番目に多かったのはトルコ人で、外国人入国者全体におけるトルコ人の割合は15%に上っています。
これらの国に次いで同年にイランに多く入国した外国人は以下順にパキスタン国籍者(10%)、アゼルバイジャン(9%)、クウェート(2%)となっており、残り29%はそれ以外の国籍となっています。