日本の8月の貿易赤字、過去最大の2兆8173億円に
去る8月の日本の貿易赤字が、過去最大の2兆8173億円に膨らんだことが判明しました。
日本の報道各社が同国財務省の15日木曜の発表として報じたところによりますと、日本の8月の貿易統計(速報)では、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は、2兆8173億円の赤字となっています。
特に昨今の資源価格の高騰や円安の進行で輸入額が膨らんだ形となり、比較可能な1979年以降、赤字額は過去最大を記録しました。
貿易赤字が最大を更新するのは、2011年の東日本大震災後に原子力発電所が停止し、火力発電の燃料となる原油やLNG液化天然ガスの輸入が増加した2014年1月(2兆7951億円)以来となります。
全体の輸入額は前年同月比49.9%増の10兆8792億円で、過去最大となりました。
また、豪州などからの石炭が3・4倍、LNGが2・4倍、UAEアラブ首長国連邦などからの原粗油は90.3%増と、燃料の輸入額が大きく伸びたほか、食料品の輸入額は35.0%増となり、穀物類が58.7%と大幅に増加し、輸入額の増加は19か月連続となっています。
一方、全体の輸出額は22.1%増の8兆619億円で、その内訳は米国向けなどの自動車が39.3%増、豪州向けの軽油などの鉱物性燃料が2・7倍、中国向けなどの半導体等製造装置が22.4%増になるなど、8月としての輸出額は過去最大となっています。
有識者らの間では、外国為替市場で進行している円安ドル高が輸入品の価格を押し上げており、貿易赤字は今後も続く公算が大きい、と見られています。
日本は、先のウクライナ戦争をめぐり欧米諸国とともにロシアに対し一連の厳しい制裁を行使していますが、これが逆に日本にとって自縄自縛となった、とする見方も出ています。