普天間基地隣接の小学校からPFOSが検出、米基準の29倍
沖縄・宜野湾市の米軍普天間飛行場に隣接する小学校敷地内の土壌から、発がん性が疑われる有機フッ素化合物PFOSが高い値で検出されました。
朝日新聞が25日日曜、報じたところにによりますと、宜野湾市立普天間第二小で今回検出されたPFOSは、対策が先行する米国内の「汚染リスクが潜む可能性」とされる値の約29倍だということです。
これについて、専門家は「自然界ではありえない値。米軍由来の汚染の可能性は高く、詳細な調査が必要」と指摘しています。
同校の校庭のそばには、基地内から延びているとみられる配水管のようなものが存在しており、市民団体「宜野湾ちゅら水会」が、こうしたところからPFOSを含む汚水が流れていたとみて、去る8月15日にグラウンドなど学校敷地内3カ所で土壌の表層数センチを採取してPFOSの含有量を分析し、結果を今月5日に公表しました。
実際の調査は、同市民団体が寄付を募って専門機関に委託して実施したもので、結果報告を受けた市教育委員会は今月7日付で保護者らに対し、子どもが現場に立ち入らないようにすることなどを通知しました。
日本ではPFOSなどの含有量について、水質管理の目安(暫定目標値)は1リットルあたり50ナノグラム以下としていますが、土壌に対する規制はありません。
アメリカでは、土壌から地下水への汚染リスクを見極めて詳細な調査が必要かを判断する「スクリーニング」の値を、EPA米環境保護局が土壌1キロあたり38ナノグラムと定めています。
今回の調査では、サンプルを採取した3カ所のうち最高で米国の基準の約29倍にあたる1100ナノグラム、次いで約18倍の700ナノグラムが検出され、残る1カ所は測定可能な値より低かったということです。