イランはこれまでのようにIAEAと協力するのか?
(last modified Sun, 15 Jun 2025 13:24:18 GMT )
6月 15, 2025 22:24 Asia/Tokyo
  • イラン外務省のガリーブアーバーディ法務・国際担当次官
    イラン外務省のガリーブアーバーディ法務・国際担当次官

イラン外務省のガリーブアーバーディ法務・国際担当次官は、これまでのように国際原子力機関(IAEA)と協力することはないと述べました。

【ParsTodayイラン】ガリーブアーバーディ次官は、イスラエルによるイランへの攻撃の継続と、これに対するイランの正当な自衛措置について、「国連安保理がイスラエルによる攻撃を止められない限り、またはイスラエル自身が攻撃を終わらせない限り、国際法に基づく自衛措置は合法です。イスラエルが行う行動には法的根拠はなく、自衛のためだとは主張できない。この論拠は、ガザでのイスラエルの戦争犯罪にも当てはまる」と述べました。

その上で、「IAEAがイランの平和的な核施設への攻撃に対して沈黙を保ちながら、その査察官がイランに通常通り駐在していることは無意味である」と指摘し、イランはもはや過去のようにIAEAと協力することはないと述べました。

 

イスラエルは20年以上前からイランが核兵器を開発していると主張

ガリーブアーバーディ次官はまた、イランが署名したすべての大量破壊兵器禁止条約(核兵器、化学兵器、生物兵器を含む)にイスラエルが署名していないことを指摘し、「イスラエルはこれらの条約のいずれにも加盟しておらず、核兵器を含むすべての種類の大量破壊兵器を保有している。20年以上にわたってイスラエルは、イランが核兵器を開発していると主張し続けているが、今でもその証拠は提示されていない。これらの主張は、イスラエルの侵略的で違法な行動を正当化するために行われており、世論を誤導する目的でなされているに過ぎない」と述べました。

 

国連はイスラエルの侵略行為を停止させる義務がある

ガリーブアーバーディ次官は、「国連憲章に基づき、侵略行為は禁じられており、ただ非難されるだけでなく、安保理と国連加盟国はその停止に向けた必要な措置を講じる義務がある」と強調しました。そして、「特にイランの隣国を含む多くの国々は、イスラエルの最近のイランへの侵略を断固として非難している」と述べました。

 

IAEAを通じてイスラエル政府に圧力をかける

ガリーブアーバーディ次官は、国連安保理の常任理事国であるロシアと中国が、会議でイスラエルによるイランへの侵略を非難し、この犯罪を速やかに停止するよう求めたことに言及しました。また、ロシアの要請で、16日にIAEA理事会の緊急会合が開かれることが決定され、イスラエル政府に圧力をかけるためにIAEAの能力が活用されることになったと述べました。

 

イスラム協力機構(OIC)外相会議でイランに対するイスラエルの侵略が議題に

ガリーブアーバーディ次官は、イランのアラーグチー外相がOIC事務局長と電話会談し、イランに対するイスラエルの侵略が来週21日にイスタンブールで開催されるOIC外相会議の議題に上がり、その後、イスラエルの侵略に対する非難声明が発表される予定だと述べました。

 

イラクは自国の領空を守り、イランへの侵略を防ぐべき

ガリーブアーバーディ次官は、イランに対するイスラエルのいくつかの攻撃がイラクの領空を通過して行われたことを指摘し、「イラクは現在、自国の領土に対する完全な統制を欠いているかもしれないが、独立した主権国家として、イラクには責任があり、自国の領空を守り、イランへの侵略を防ぐ義務がある」と述べました。

 

イランは国益に基づいて意思決定を行う

ガリーブアーバーディ次官は、「イスラエルによるイランの核施設への攻撃は、明らかに国際法に反し、IAEAの総会・理事会決議および国連安保理決議に反する行為である」と強調しました。

そして、「かつて、イスラエルがイラクの研究用原子炉を攻撃した際、この問題はIAEA理事会および国連安保理で取り上げられ、イスラエルに対する決議が採択された。その決議は、核施設への攻撃を禁じるものであり、このような攻撃は多くのリスクを伴い、加害者に法的責任を課すことになると警告していた。これと同じ攻撃が現在繰り返されている。イランはすでにいくつかの対抗措置を講じており、その一部はIAEAにも通知されている。特に、核物質や設備のさらなる保護措置が講じられている」と述べました。

 


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