敵基地攻撃能力の閣議決定に、都内で抗議デモ
16日、政府が敵基地攻撃能力(反撃能力)の保有を閣議決定したことをうけ、都内では抗議デモが開かれました。
政府は16日、NSS・国家安全保障戦略など安保関連3文書を閣議決定しました。
朝日新聞によりますと、今回閣議決定された文書では、中国や北朝鮮、ロシアを安全保障上の脅威と位置づけ、日米共同で対処すると明記されています。
そして、「我が国への侵攻を抑止する上で鍵となるのは、反撃能力である」とし、敵基地攻撃能力を保有する方針を示しました。
その運用に関しては、「反撃能力の行使を含む日米間の運用の調整」を挙げ、敵基地攻撃能力を日米共同で行使する方針が示されました。
今回の閣議決定では、敵基地攻撃能力の定義は、「我が国に対する武力攻撃が発生し、その手段として弾道ミサイル等による攻撃が行われた場合、武力の行使の3要件に基づき、必要最小限度の自衛の措置として、相手の領域において、我が国が有効な反撃を加える能力」と記されています。
しかし、実際には相手が攻撃していなくても、攻撃に「着手」している段階で行使できると解釈されるため、先制攻撃とみなされる恐れもあり、前後の日本の安保政策の転換点と言えます。
東京新聞によりますと、閣議決定が行われた16日午後、首相官邸周辺ではおよそ60人(主催者発表)が抗議デモを行いました。
デモは平和団体などでつくる「大軍拡と基地強化にNO! アクション2022」などの呼び掛けで行われました。
参加者からは、「政府は中国の脅威を強調するが、戦争をあおっているのは日本」「日本には多くの原発があり、攻撃されると重大な影響が出る。そんな状況で戦争ができるはずはない」などといった声が聞かれました。