視点
物議をかもす岸田首相の表明
岸田文雄首相が、訪問先のアメリカで中国に関する一連の表明を行いましたが、これが世界的な波紋を広げています。
岸田首相は日本政府の防衛計画を正当化すべく、「日米にとって最大の課題は中国である」と発言しました。岸田首相のこの発言は、中国をアメリカと世界にとって最大の脅威だとした、ブリンケン米国務長官の最近の主張をそのままなぞったものです。
岸田首相の反中国的な発言を受けて、ロシアは、岸田氏が米国の政策や計画に尽くしていると表明しました。
近年、日本の与党・自民党は、強力な自衛隊の保有、及びアメリカの地域・国際的軍国主義への追従を目的とした広範な取り組みを開始しました。これは日本国憲法の解釈で認められる範囲から逸脱するもので、自民党は自衛隊を正式な軍隊として明記する憲法改正を目指していますが、国民の過半数の賛成を得ることはできていません。
このため、日本政府がその軍事計画を実行するためには、アメリカの支援が必要である一方、それを正当化するためのさまざまな口実が必要となっています。こうしたことから、日本の政治家は常に北朝鮮と中国を日本に対する地域的脅威と呼んでいます。
これに関して、イランの国際問題研究者のエグバーリー博士は、「日本政府は、アメリカへの追従により、同国の地域政策における自らの立場を強化し、憲兵隊の役割を果たせると考えている。アメリカは東アジアでの軍事費を削減しようとしているが、日本を強力な軍隊保有へと促すべく、この地域の軍拡競争を煽ろうとしている」との見解を示しています。
アメリカが世界各地に共通してとる政策は、緊張の扇動であり、それにより武器を売り、地域を安定させて自らの望む政策を押し通すことが目的です。これは東アジア地域にも適用されています。アメリカの政策は、オバマ元大統領の時代から、東アジアでの軍事駐留の強化と中国の封じ込めへと変化し、軍事計画を主に東アジアに集中させてきました。こうした動きをうけ、かねてから軍隊を持つ機会をうかがっていた日本政府は、実際に軍事力強化への方向に動いています。
こうした中、大半の日本国民はこのような動向の結果を懸念しており、憲法改正を望んでいません。それは、日本政府が過去の植民地・帝国主義的政策の踏襲によって、再び日本をこの地域での全面戦争に巻き込むことを懸念しているからです。この懸念は、中国や韓国を含む他の諸国から何度も提起されてきました。その理由は、これらの国々が旧日本軍の植民地時代に最も大きな被害を受けたことにあります。
これに関して、イランの国際問題の専門家イスマーイール・バーゲリー氏は「旧日本軍は負の歴史があるだけでなく、東アジアの世論にとって恐ろしいものでもある。植民地時代の日本軍は、中国と韓国で従軍慰安婦問題を含む多くの犯罪を引き起こしている。強力な軍隊保有という日本政府の願望は、実際にはそれらの悲劇的な歴史的出来事の繰り返しに等しい」との見方を示しています。
現在、経済問題により、日本国民の間での岸田政権への支持率は低下しています。多くのアナリストは、日本政府の軍国主義的アプローチの強化が続けば続くほど、岸田首相と同政権は国内世論の支持をさらに失うだろう、と予測しています。


