舞台セットも衣裳もプラスチック
日本が世界に誇るバレエダンサー熊川哲也さん率いるKバレエ カンパニーが、環境問題にフォーカスするユニークなダンス公演を開催しました。
今月8~9日に横浜市のKAAT神奈川芸術劇場で、熊川哲也氏が率いるKバレエカンパニーと東急文化村の主催により、地球環境に影響を及ぼしかねない使用済みペットボトルやビニール傘、さらには美術展で使われた布地を舞台セットなどに活用するユニークなダンス公演「プラスチック」が開催されました。
新進気鋭の振付家によるオリジナル作品や他ジャンルとのコラボレーションなど、ダンスの魅力を多角的に捉えた作品で、K-BALLETの新たな光(=Opto)を生み出し、より多くの方々に鮮烈なライブ体験を提供することを目指します。
『ペットボトル迷宮』に出演するジュリアン・マッケイさんは、「僕たちが踊ることによって、普段皆さんが考えていない問題に光を照らすことができれば幸せです」と語りました。ジュリアンさんは美しく大胆なバレエを通して環境問題を身近に感じて考えることができる、面白く刺激的なバレエ公演にしたいと抱負を述べています。
本公演の企画、構成、原案を担った高野泰寿さんは、「いま、熊川は特に環境問題を意識しています。芸術がどのように問題解決に貢献できるかをアプローチしたのが『プラスチック』です」と語っています。
本作品の舞台では、ビニール傘とペットボトルをモチーフに新たなドラマチック・バレエ2作品が上演されました。
これはごみとして捨てられるはずだったプラスチックごみたちが、大胆かつポップに舞台に彩られることで、美しさとともに問題提起もしていく試みです。
日本人1人あたりのプラスチックごみの廃棄量はアメリカに次いで世界第2位となっています。
わけても、コロナ禍の在宅消費需要もあってプラスチックごみは増える一方です。
こうした中で、このようなイベントが開催されたことは、環境汚染を身近な問題として考えようとする動機付けを世論に与えるものと思われます。