日本で22年刑法犯が20年ぶり増加、犯罪情勢コロナ緩和影響か
2022年に警察が認知した刑法犯は前年比3万3285件(5.9%)増の60万1389件で、20年ぶりに増加に転じたことが明らかになりました。
日経新聞によりますと、警察庁が2日木曜に公表した、22年の犯罪情勢(暫定値)では街頭犯罪などが増えており、これは新型コロナウイルス対策の行動制限の緩和が影響したとみられます。
さらに詳しくみていくと、殺人など6種類の重要犯罪のうち強盗は前年比10件増の1148件で、各地で相次ぐ広域強盗事件の一部が含まれます。
また、SNS(交流サイト)上の「闇バイト」に応募したとみられる実行犯らは手荒な手口で、死傷者も出ています。
認知件数は02年をピークに減少を続け、21年は戦後最少を更新していました。
しかし、22年は自転車盗などの街頭犯罪が前年比14.4%増の20万1619件と目立ち、特殊詐欺の被害額は28.2%増の361億4千万円と8年ぶりに増加しており、月別では春ごろから増加傾向が顕著になっています。
さらに、虐待の疑いで児童相談所に通告した18歳未満の子どもは11万5730人、ドメスティックバイオレンス(DV)の相談は8万4493件で、ともに過去最多を更新しました。
またストーカーの相談は1万9129件で、今年1月に福岡市博多区で起きた女性刺殺事件と同様の、関連する刑法犯や特別法犯の摘発は前年より増え、1639件に達しています。
警察庁が22年10月、15歳以上の5千人に行ったネット上のアンケートで、過去10年の治安の心象に関しては、計67.1%が「どちらかといえば悪くなった」「悪くなった」と回答しており、その際に想起する犯罪の上位は「無差別殺傷」「おれおれ詐欺など」「児童虐待」となっています。
加えて、刑法犯認知件数のうち重要犯罪は8.1%増の9536件だった一方で、刑法犯全体の摘発は5.3%減の25万381件となっています。