元ジャニーズ所属アイドルが、ジャニー喜多川氏の性暴力を告発
人気アイドルグループ・ジャニーズJr.の元メンバーで歌手のカウアン・オカモトさんが12日記者会見し、当時所属していたジャニーズ事務所の社長・ジャニー喜多川氏から性暴力を受けていたと告発しました。
共同通信によりますと、オカモトさんはこの日、都内の日本外国特派員協会で記者会見し、ジャニーズ事務所に所属していた2012〜16年にかけて、当時の事務所社長ジャニー喜多川氏(2019年死去)から15~20回ほど性暴力を受けたと語りました。
オカモトさんは会見の中で、性暴力を受けた現場である喜多川氏の自宅マンションとする映像も公開しました。これはオカモトさんが自らのスマートフォンで撮影したものだということです。
また、他のメンバーに対する性暴力については、「はっきり分かるのは僕以外に3人。(喜多川氏のマンションを訪れた)ほぼ全員だと思っている」と発言。喜多川氏に対しては、「感謝の気持ちを持っている一方、当時15歳の僕や、他のメンバーに対し性的行為を行ったことは悪いこと」と語りました。
一方、会見の場に外国特派員協会を選んだことについては、会見に先立って取材を受けていた週刊文春から「日本のメディアではおそらくこのことは報じないだろう、外国のメディアならば取り上げてくれるのではと言われ、この記者会見を受けることにした」と述べました。
ジャニー喜多川氏による性暴力疑惑については、先月に英BBCが取材内容をまとめたドキュメンタリーを放送し、日本でも話題になりました。
その後、週刊文春がオカモトさんを含む元メンバーらによる被害告発の連載記事を掲載しています。
しかし、一部メディアや芸能関係者らの間では、喜多川氏による性暴力については90年代から噂されていました。
今回のオカモトさんの会見をうけて共同通信はジャニーズ事務所にコメントを求めましたが、事務所は「経営陣、従業員による聖域なきコンプライアンス順守の徹底、偏りのない中立的な専門家の協力を得てのガバナンス体制の強化等への取り組みを、引き続き全社一丸となって進めてまいる所存です」とだけ述べ、具体的な事実関係や謝罪はしませんでした。
ジャニーズ事務所は人気アイドル・タレントを数多く輩出し、日本のテレビ界に圧倒的な影響力を有しています。そのため、同事務所のタレントが出演する番組を抱えるテレビ各局は、ジャニー喜多川氏の性暴力疑惑について踏み込んだ取材を行っていません。