英精神病院30カ所で性的被害2万件超
(last modified Sun, 18 Aug 2024 06:38:33 GMT )
8月 18, 2024 15:38 Asia/Tokyo
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    英精神病院30カ所で性的被害2万件超

英国の精神医療施設約30カ所で2019年以降、患者とスタッフ双方から性的暴行や性的嫌がらせに関する告発が約2万件も寄せられていたことが明らかになりました。

【ParsToday国際】英の複数のメディアは、同国の国民健康サービス(NHS)の管轄下にある多数の医療センターで、精神上の問題を抱える数万人の患者がセクハラや性的暴行の被害に遭っていたと伝えました。

それによると、多数の精神疾患患者らが治療中に性的暴力やセクハラを受けたと訴えており、英メディアはこの事件を「国家的不祥事」として取り上げています。

今回明らかになったのは、英スカイニュースやインディペンデント紙の調査で、2019年以降、英国の約30の精神治療施設で患者とスタッフ双方から性的暴行、虐待、嫌がらせに関する告発が2万件近く寄せられていたというものです。

事の発端は、スカイニュースで自身の被害を語った同国の元水泳選手アレクシス・コホーンさんの証言でした。コホーンさんは、2012年に兄が死去してから精神的ケアを受けていましたが、2013年のクリスマスの日、彼女は男性だけの病棟に入れられた後、英ケント州のリトルブルック病院で他の患者から性的暴行を受けました。

コホーンさんはその後、NHS系列施設で起きた患者への性的暴力をめぐる報告書が公表されたことをうけ、自身への医療ケアを拒否していました。コホーンさんは自らの被害をスカイニュースに語りましたが、いずれの加害者も起訴には至りませんでした。しかしその後、他の複数の患者とその家族らが自らの被害体験を告発しようと行動を起こしました。

これらの証言の中には、精神病院に移送される前に職員から性的暴行を受けたと語る法学部卒業生も含まれています。また、2人の子供を持つ母親は、男性職員から5カ月間にわたって繰り返し酷いセクハラを受けたと述べました。

自身の他にも多数の被害者から告発が相次いだことについて、コホーンさんはスカイニュースに対し、「私だけだと思っていたが、私と同じような境遇の人は数千人もいる」と語りました。

英保健省は2011年、すべての入院患者に対して男女混合診療の廃止を掲げました。しかし、その後12年以上経過して発覚したのは、男女混合病棟や共有スペースでの性的暴行や性的虐待が横行しているという事実でした。

取材したスカイニュースとインディペンデント紙は、50件の情報公開請求を経て、調査結果を公表しました。それによると、2019年から2023年にかけて精神保健科の入院部門で性的被害が2万件近く報告されており、この数は毎年増加しています。性的被害の定義は、人に不快感や危険を感じさせる望ましくない性的行為とされ、強姦やセクハラも含まれます。

英国では2023年に約4000件もの性的被害が報告されており、これは2019年と2020年の年間合計数を上回っています。これに加えて、2019年から2023年の間に英国の20以上の施設で女性患者に関わるセクハラや暴行被害が800件以上発生していますが、そのうち警察に報告されたのはわずか95件のみでした。

NHS傘下の混合精神科入院センターにおける500件以上のレイプや性的虐待の苦情申し立ては、20以上のセンターで発生しています。

元被害者委員会のデイム・ベラ・ベアード氏は、この調査結果を「国家的不祥事」だとし、また英国王立精神科医協会のリード・スミス会長は「この恐るべき調査結果は、患者や職員らが常に性的危害から守られるには、さらに多くのことを行う必要があることを示している」「精神治療施設における多くの事件が報告されていないことは、極めて憂慮すべき事態だ」と述べました。

 

 


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