徴用被害者支援団体が日韓首脳会談を非難、「謝罪なく得たものない」
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徴用被害者支援団体が日韓首脳会談を非難
韓国の人々が日本の岸田首相の訪韓に抗議し、デモを行いました。
韓国のヨンハプ通信によりますと、日本による徴用被害者を支援する韓国の市民団体「日帝強制動員市民の集まり」などは8日月曜、前日の日韓首脳会談について、日本が歴史問題を謝罪することもなく、韓国にとっては何も得るものがなかった会談だったなどと非難しました。
日韓両国は、数十年にわたり複数の歴史的問題をめぐり対立を抱えてきました。しかしここ数カ月、東アジアにおけるこの2つのアメリカの同盟国は、北朝鮮と中国の地域的脅威と称するものに対抗すべく、両国間協力の拡大を決定しました。
岸田首相は日韓関係の修復を目的に7日日曜、韓国とのいわゆる「シャトル外交」の再開となる訪韓を実施し、同国のユン・ソクヨル大統領と会談しました。
日本の首相の韓国訪問は12年ぶりとなる一方、今回の訪韓は韓国国民からは歓迎を受けていません。
イルナー通信によりますと、韓国の団体「SPARK・平和と統一を開く人々」は、岸田首相の訪韓に抗議して韓国大統領府の周辺に集結し、日本政府に対し軍事的過去の謝罪を要求するスローガンを連呼しました。.
この報道によれば、抗議者らはまた、韓国と日本の間の軍事協力に反対し、日本政府が打ち出した福島原発の処理水放出計画の中止を要求しました。
市民団体側はこの日出した共同声明で、「韓日首脳会談で日本の謝罪はついに一言もなかった」とし、ユン・ソクヨル政権の外交の実体が空っぽであることが明らかになったと指摘しました。
また、会談の鍵は日本が誠意ある謝罪をして反省を示すかどうかにあったとしながら、「会談では日本政府のこれまでの立場をもう一度繰り返すだけだった」と強調しました。
そのうえで、「痛切な反省と心からのおわび」が本当であるならば、韓国大法院(最高裁)の判決にしたがって被告企業が被害者に対して謝罪して賠償するべきだとし、「被害者の痛みを無視する態度」だったと非難しました。
さらにユン政権に対し、日本は謝罪も反省もしていないが、一方的に譲歩するだけでなく問い詰めることもしないのかとし、「ユン大統領が守るべき主権はどの国のものなのか聞きたい」と詰め寄りました。
岸田首相の韓国訪問に先立ち、今月6日夜にもソウルで開かれた集会では、約5000人が過去の歴史問題に関する謝罪なしでの岸田首相の訪韓に反対を表明しました。
日本と韓国の関係は、1910 年の日本による朝鮮半島の植民地支配と、第二次世界大戦中およびそれ以前の朝鮮半島の人々に対する韓国人が「日本兵による犯罪」と称するもの、つまり第2次世界大戦時代の旧日本軍兵士が朝鮮半島の女性たちに対し引き起こした従軍慰安婦問題により、常に暗澹たる緊張したものでした。また、両国のもう1つの対立の焦点として竹島問題も挙げられます。
また2018年には、韓国最高裁が第2次大戦中に強制労働をさせられたとして韓国人4人が新日鉄住金(旧新日本製鉄)に損害賠償を求めた訴訟の差し戻し上告審で、同社の上告を退ける判決を言い渡しました。さらに日本は19年、韓国をホワイト国(輸出管理で優遇する「グループA」)から除外しており、以来両国の関係は最低水準に落ち込んでいました。
なお、ユン大統領と岸田首相は2週間後に広島で開かれるG7・先進7カ国サミットで再会する見通しです。
一方で、今年3月にはユン大統領も中国、ロシア、北朝鮮に対する東アジアの同盟国の地域同盟を強化するアメリカの取り組みに沿って日本を訪問し、同国の当局者と会談しました。