日銀大阪支店長、「関西の景気は、コロナ影響長期化で下振れリスク高い」
日銀の山田泰弘大阪支店長は14日、支店長会議後の記者会見で、地域経済報告(さくらリポート)では景気判断を据え置いたものの、経済の下振れリスクに警戒感を示しました。
ロイター通信によりますと、山田理事は、管内の京都府、大阪府、兵庫県で緊急事態宣言が発令されたことで、サービス業を中心に「相応に大きな影響が出てくる」と指摘しました。
また、旅行、宿泊、飲食業などに影響があると指摘する一方、百貨店など小売業は前回の緊急事態宣言時と異なり、営業時間の短縮などで対応し、完全に閉店するわけではないとし、モノの消費の持ち直しの動きが大きく変化するとは考えていないと語りました。
日銀が14日発表したさくらリポートでは、全9地域中、3地域の景気判断を引き上げる一方、1地域の判断を引き下げました。近畿は、新型コロナウイルス感染症の影響で依然として厳しい状態にあるものの、全体として持ち直しの動きが続いているとして、前回10月から据え置きました。
関西は、輸出・生産が持ち直し、個人消費も堅調な動向を示しています。一方、サービス消費は年末年始に需要が大幅減となったことに加え、緊急事態宣言で今後も厳しい状況が予想されるということです。設備投資計画は「12月の短観を見る限り、製造業・非製造業とも下方修正は小幅にとどまり、関西では前年比プラスを維持している」と指摘したものの、感染症の影響が長期化する中で「経済の下振れリスクは高い」との見解を示しました。
管内で緊急事態宣言が発令されたことについては、大阪の飲食業から「赤字が避けられない」、「収益が低下する」といった声が聞かれたということで、山田理事は食品業など関連業種にも影響が出てくるとの見方を示しました。
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