名護市長が県に「意見なし」の文書送付、埋立問題に市の意見は反映されず
(last modified Tue, 09 Mar 2021 10:01:42 GMT )
3月 09, 2021 19:01 Asia/Tokyo
  • 沖縄県名護市辺野古
    沖縄県名護市辺野古

沖縄県名護市辺野古の埋め立て変更承認申請で、名護市の渡具知武豊市長が、県に「市長としての意見は存在しない」とする旨の文書を郵送しました。

沖縄の地元紙・沖縄タイムスによりますと、沖縄県名護市辺野古の新基地建設に伴う埋め立て変更承認申請で、県から意見を求められていた名護市の渡具知武豊市長が8日月曜、県に「市長としての意見は存在しない」とする旨の文書を郵送しました。

これは、昨年12月に市議会に提案した市長意見が否決され、開会中の3月定例会にも提案しないことを決めたもので、県への回答期限が今月26日となっているところ、埋め立て変更承認の知事判断に市の意見は反映されないことになります。

渡具知市長は同紙の取材に対し、再提案を見送った理由として「議案は可決される前提で提出するが、12月のやりとりを振り返ると厳しいと判断した」と可決見込みが立たなかったことを挙げました。

この措置には、新基地建設について賛否を示していない市長のスタンスを堅持したい思惑が見え隠れしていると思われ、市議会に再度提案しても平行線をたどるとみて、市の判断として県に文書を送ることで、意思表示をした形となっています。

県側は8日午前に名護市から電話で文書発送の連絡を受け、問題の文書について「議会の承認を得たものではないため、県の意見照会に対する回答としては扱わない」と説明し、回答期限の26日よりまでに議会承認を得た意見提出がない場合「意見なし」と見なすということです。ただし意見提出がない場合でも、法的な問題はないとされています。

県が昨年11月、公有水面埋立法に基づき、渡具知市長に意見照会文書を出したことに対し、市は「埋め立て地の用途の変更について意見を求められている」として、12月の議会で作業ヤード用の埋め立て取りやめ(用途変更)に「異議はない」とする意見を追加提案しましたが、野党側が軟弱地盤の設計概要変更に言及していないことなどを問題視し、賛成少数で否決された経緯があります。

12月議会で否決されたことを理由に「意見は存在しない」として県に文書を送ったことに対し、野党側からは「まだ3月議会が残されている。しっかり最後まで議論するのが行政の務めではないか」との批判の声が上がっており、今後の一般質問を前に、再提案せずに結論付けたことに対する説明責任が問われる可能性が浮上しています。

 

ラジオ日本語のユーチューブなどのソーシャルメディアもご覧ください。

https://twitter.com/parstodayj

https://www.instagram.com/parstodayjapanese/

http://urmedium.com/c/japaneseradio