山形でもあった米軍基地被害の歴史を伝える児童小説が出版
https://parstoday.ir/ja/news/japan-i76304-山形でもあった米軍基地被害の歴史を伝える児童小説が出版
戦後の占領統治下で、米軍の砲撃用演習地として土地を接収された山形県村山市戸沢地区の暮らしを描いた児童小説「ヘイタイのいる村」がこのほど出版されました。
(last modified 2025-10-27T05:05:03+00:00 )
May 01, 2021 19:19 Asia/Tokyo
  • 山形童話の会会長の花烏賊(はないか)康繁さん
    山形童話の会会長の花烏賊(はないか)康繁さん

戦後の占領統治下で、米軍の砲撃用演習地として土地を接収された山形県村山市戸沢地区の暮らしを描いた児童小説「ヘイタイのいる村」がこのほど出版されました。

沖縄県の地元紙・沖縄タイムスによりますと、同小説は1958年、地元の青年5人の共同創作で山形県の地方紙・中奥日報(現・米沢新聞)に連載されたもので、昨年10月、同地区出身で山形童話の会会長の花烏賊(はないか)康繁さん(73)が新聞のスクラップなどを見つけ、書籍化に向けて活動を開始していました。

花烏賊さんは「基地が集中する沖縄で起きていることが過去に山形でもあったが、若い人は知らない。基地問題は人ごとではいけない。歴史を知ることが今を知ることになる」と訴えています。

米軍は終戦直後、同地区などで計約4700ヘクタールを接収し、3カ所に砲座を設置した「大高根(おおたかね)射撃場」を建設して、昼夜を問わず砲撃演習を始めたことから、のどかな戸沢地区には突然、米軍の砲弾が上空を飛び交うことになりました。砲弾が田畑や民家を襲い、また住民4人が不発弾の爆発で死亡するなど、米軍絡みの事件事故も相次ぎ、この書籍はその様子を地域の子どもたちの視点で描き出しています。

著者は当時、大学生だった鈴木実さん(88)と、すでに他界している高橋徳義さん、植松要作さん、笹原俊雄さん、槇仙一郎さんの計5人です。

今回の書籍化のきっかけとなったのは、花烏賊さんが高橋さんの遺品を整理した際に、新聞のスクラップを見つけたことによるもので、出来上がった書籍は、地元の小中高校や図書館に寄贈されています。

花烏賊さんは、「地元の若者は米軍基地があった歴史を知らない。多くの国民は沖縄の現状に無関心でもある。日本は平和と言えるだろうか。子どもたちが本を読んで考え、何かを感じてもらえたら」とコメントしました。

同書は2000円で販売しており、購入などの問い合わせ先は花烏賊さん(電話090ー2025ー8785)となっています。

 

ラジオ日本語のユーチューブなどのソーシャルメディアもご覧ください。

https://twitter.com/parstodayj

https://www.instagram.com/parstodayjapanese/

http://urmedium.com/c/japaneseradio