グリーンランド購入:米共和党の占領志向法案
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グリーンランド購入:米共和党の占領志向法案
米下院の共和党議員らが、北極圏に位置するデンマークの自治領・グリーンランドの購入交渉をするための法案を提出しました。
【ParsToday国際】この法案は主に米共和党のアンディ・オグルズ下院議員とダイアナ・ハーシュバーガー下院議員が起草したもので、「グリーンランドを再び偉大にする法案」と題され、議会に提出されました。米FOXニュースは、法案提出には計10人の議員が名を連ねたとしています。
この法案は、トランプ次期米大統領が大統領就任宣誓日となる今月20日からグリーンランド購入に向けデンマークと交渉に入ることを提案しています。
トランプ氏はかねてから、グリーンランドを米国の一部にしたいと表明しており、デンマークにグリーンランド譲渡を促すのに軍事・経済力を行使する可能性もちらつかせています。
グリーンランドはこれまで数世紀にもわたり、デンマークの統治下にありましたが、現在はデンマークの自治領となっています。世界最大の島であるグリーンランド自治政府のエーエデ首相は、米国による同島の買収圧力が高まる中、ここ数カ月、デンマークからの完全独立獲得に向けた取り組みを強化しています。同首相はまた、「我々の島は売り物ではなく、グリーンランドの将来を決めるのは島民次第である」と繰り返し強調してきました。
トランプ氏はグリーンランド購入を目指すことに加え、カナダをも米国に併合し、さらにはパナマ運河を接収することも提案しています。
トランプ氏による一連の発言は、露骨な覇権主義に基づく上意下達といえるもので、他国に対する米の真の姿勢が世界にとって改めて示された形です。アメリカは、世界レベルで大きな情勢変化が起きている21世紀になっても、19世紀や20世紀と同じように他国に対して帝国主義的な見方を有しており、国際社会の要求を全く無視し、国際法、特に各国の国家主権や領土保全を一切考慮せず、自国の目的と利益のみに基づいて、カナダ、グリーンランド、パナマの3つの重要な国と地域の自国領土への併合を要求しているのです。
グリーンランド、特に同島西北部カーナークの未編入飛地ピツフィク空軍基地は、米軍と同国の弾道ミサイルシステムの早期警戒システムにとって戦略的に重要であり、ヨーロッパと北米を結ぶ最も近いルートであると考えられています。
グリーンランドは世界最大の島で、総面積は216万6086平方キロメートルにも及びます。